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2005年1月29日 (土)

「ノスタルジア」――街はホントに美しくなったの?

2月1日からブログのデザインを変えて、もう少しカラフルにしてみようかななんて思いました。で、思ったのはいいんですけど、なぜかもとに戻せなくなって・・・少し早いけど、一応「節分」っぽい色使いのつもりです。

ところで先日、戦前から昭和の終わりぐらいまでの、仙台市の街並みを写した写真を調べる機会がありました。「うわっ!昔の仙台ってこうだったんだ!」驚きの写真、空襲で焼け野原になった様子を捉えた生々しい写真など、つい見入ってしまって、なかなか先に進みません。中に1枚、思わず懐かしさを押さえきれない白黒の写真がありました。いえ、なんということない仙台市中心部の繁華街の写真なんですが、道路に映画館の立て看板が立ててあるのです。そこには「鉄道員」の文字。

懐かしかったのは映画のほうじゃなくて(さすがに私もピエトロ・ジェルミ監督の「鉄道員」が初公開された頃のことは知らない)、立て看板の方。そういえば私が子供の頃は、町のそこここに映画館の立て看板がありました。昔は街角の立て看板が映画広告のスタンダードだったんです(<英語のダジャレあり)。学校帰り、その前を通るたびに「今週の土曜日に見に行こう」とか「あっ、この映画来週から始まるんだ」とか、胸をときめかせたことが思い出されます。

いつごろからでしょうか?町の美観という名目で、立て看板類が排除され始めたのは。今じゃ、映画館が入っているビルの外観にも、看板が見当たらず、切符売り場まで行かないと、どんな映画をやっているのかすら判らない劇場もあります。

たしかに電信柱にくくりつけてある立て看板など通行の邪魔だし、場所によっては事故のもとという事もありえます。看板のために建物の外壁を提供していたビルだって、そのスペースに自動販売機を置いたほうが、あるいは儲かるのかもしれません。

それに昔は必ず映画館の入り口の上に誇らしげに掲げてあった大看板も、ポスター画を描いてもらうだけで相当経費はかかるでしょうし、路上の立て看板を取り替えるのには人件費もかかりそう。

20050129eigakanJP写真の建物は仙台駅東口に近い映画館。外に小さな看板が一つ出てるだけ。昔はこの近辺の場所説明に「映画館が入っているビル」と言えば目印になったのに、今じゃ「1階が松屋になってるビル」と言わないと通用しなくなりました。はぁ・・・

映画館数軒分の上映を一人の映写技師でまかなっていたりする今の時代、余計なお金はかけられないのかもしれませんねぇ。とすると行政の方針と映画館側の経済事情が、ぴったり一致したということになるのでしょうか?

でもなんかつまらない。そりゃ汚い町よりはきれいな町の方がいいにきまってるけれど・・・

町を歩けばそこかしこでセシル・ビートンの衣裳に身を包んだオードリー・ヘップバーンが、燃えさかるアトランタを背景にしたクラーク・ゲーブルとヴィヴィアン・リーが、南太平洋の青い海をバックに情熱的に見つめあうミッツィー・ゲイナーとロッサノ・ブラッツィが、私たちを招いてくれたそんな時代のほうが、整理された美しさはなくとも、ずっと町が楽しかったんじゃないか?――なんて思ってしまいました。

街でめぐりあう映画館の立て看板が、夢の世界への窓のように感じられたあの頃。ただのノスタルジーでしょうか?

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コメント

私はタテカン世代です。大学にも巨大なタテカンが・・・
映画館の前には、タテカンがありましたね。
町のまん中に大学がありましたので、代返たのんで映画を見に行っりしてました。別にわざわざ授業をさぼって映画を見に行くことはないのですが、なんかそういうのが楽しかったんですね。
私の大学は、学生運動はいっさいなしの別世界、学校に反抗するのは、授業をさぼることくらいだったのかしら。
学生運動で、授業ができない状態の大学が多かったのに暢気だったんですね。

投稿: keyaki | 2005年1月29日 (土) 10:17

ありました、ありました。大学にタテカンが。
といっても私の場合、入学したのは学生運動がちょうど鎮火した辺りの時期だったので、もうよほどの政治好きの人たちしかやってませんでしたが。

中国のマネをして簡略化した漢字を使って、タテカンに文字を書くのが流行してましたね。あれってなんだったんでしょう?すでにもう文化大革命の悲惨さは十分に伝わってたから、中国が理想なんて思ってた人は、極左の人たちの中にすらいなかっただろうと思うんだけども???

投稿: TARO | 2005年1月29日 (土) 14:16

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