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2005年3月12日 (土)

ホリエモン>「殺す」から「ハリウッド」へ

20050312ropphills03ニッポン放送の新株予約権の発行差し止めが認められて、ライブドア堀江社長が記者会見をしていた(昨夜8時半から)。
「私のことをコストカッターだと言ってた人もいたが、そうではない。ハリウッドに負けないようなコンテンツを・・・」などというようなことを。ええっ、ハリウッド!?「TV、ラジオなど既存のメディアを殺すためには、まず一度浸透して」とか言ってなかった?
「本音を言っちゃダメ」と、学んだと言うことなのか?
いずれにしてもまだニッポン放送の段階で、それだってどうなるか分からない。ましてやフジテレビに王手はかけてないのに、ハリウッドって・・・

一方、ニッポン放送の亀渕社長は「社員一同の気持ちが否定されて残念です」などと。裁判所は別に「気持ち」を裁定するところではなく、違法か適法かを裁定するところだと思うのだが。

それはともかく「ネットで関心の高かったものだけが、関心の高さの順番にニュース・ヴァリューがあり、そのほかはゴミ」というジャーナリズムに関しての堀江氏の見解は、実に持って現代日本社会的であるとは思う。
既存のメディアが恣意的にソースの選択をしたり、見出しをつけたりすることを、彼は「思い上がり」と断罪する。記者も不要。市民記者がニュースを流し、その価値は見る人が判断すればいいと言う。一種『2ちゃんねる的』であると言えるかも知れない。
「心」や「志」、「報道の精神」「使命感」「記者としての良心」「真実の追究」。あるいは「熟練」「熟達」「美意識」「プロフェッショナリズム」などと言った言葉を、かれはマスコミの世界には不要なもの、むしろ思い上がった傲慢な考え方で、あってはいけないものと考えているようだ。

そんなものがなくても、これだけの地位に(いや地位にではなく、位置にと言うべきか)のぼりつめた堀江氏らしい考え方だ。

しかし大企業がリストラという名前で、日本が誇るべき真のプロとも言うべき熟練した町工場テクノロジーを切り捨てた結果、日本の製造業がどうなったか。
経費節減でアルバイトだけを使うようになって、日本のサービス産業がどうなったか。
それを考えれば、ホリエモン流のやり方ではメディアの世界も死ぬだろうと予測するのはたやすいことだ。無論彼は「殺す」と言ってるのだから(もしくは言っていたのだから)、それでOKなわけだが。そして残った『2ちゃんねる的世界』がジャーナリズムの新しい王道となる。

プロフェッショナリズムがなければ、届きえないニュースもあると思うが、それはおくとしよう。ジャーナリズムが全てホリエモン・ワールドになったら、そこに誕生するのは新たな「匿名のオピニオン・リーダー」とでも呼ばれるべき人々ではないだろうか。腹黒い人ほど、世論操作が巧みだし、悪い人間が社会を意のままにしやすい世界が招来するのだろう。「プロフェッショナルの厳しい視線」などと言う言葉自体が、彼によれば既にもう『思い上がり』に違いないのだから。
私個人としては、日本のメディアがそうなる前に、自分の寿命がくることを望みたい。

写真:ライブドアが入っている六本木ヒルズの夜景。(「東京発フリー写真素材集」からお借りしました)

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コメント

こちら、いろんな側面があると思いますけど、「世論操作」という面からは、やっぱりコワイですね。

>「匿名のオピニオン・リーダー」
「衆愚」に陥る危険大・・

投稿: edc | 2005年3月12日 (土) 07:49

今回の新株発行の件に関しては、裁判所の裁定は全く納得のいくものだったと思います。既存の株主が大被害を被りかねないし、こんなやり方が認められたら、とんでもないことだと思います。(私は株主ではありませんが。)

でもそれはそれとして、その時その時の一般の関心の高さだけが、ニュース・ヴァリューの指標という堀江社長の報道観は、やはり奇妙なものではないかと思えます。あまりにもインターネット万能というバイアスがかかっているんじゃないかという気がするんです。

>「衆愚」に陥る危険大・・

すでにもう危険域に入ってるのかもしれないという気がします。「自己責任」の時には、2ちゃんねる的意見に、政府がのっかっちゃったわけで。

投稿: TARO | 2005年3月12日 (土) 10:29

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