« インターネットは実名で? | トップページ | 6月も今日で終わり »

2005年6月29日 (水)

フォーレのレクイエム・3

20050629ParisJP(6月17日の続き)
レクイエムの「いわゆるオリジナル版」については、17日にあげたような名盤が目白押しでどれを選んでも間違いはなさそうです。

中でも私が好きなのはスティーヴン・クレオベリー指揮ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団によるEMI盤(ラター版)で、演奏は普通に進んでいくのですが、最後のイン・パラディスムでちょっとビックリです(聞いてのお楽しみ)。フィルアップされたデュリュフレのレクイエムは独唱にアン・マレーが参加していて、素晴らしい歌声を聞かせてくれます。

シンフォニック版(フル・オーケストラ版)は昔から数多くの録音がなされてきましたが、ネクトゥーによれば1901年にアムレから出版されたスコアはかなり間違いが多く、校訂の必要があるのだそうです。
過去にも2回ほど新校訂の楽譜が出版されましたが、1998年に新たにネクトゥー自らが校訂したものが出版され、もっかのところこれが決定版ということになる模様です。
6月17日の助六さん宛てのコメントにも書きましたが、このネクトゥーによるエディションは、ヘレヴェッヘの2度目の録音で採用されています。

このヘレヴェッヘ盤はピリオド楽器のオーケストラを起用しているほか、発音にも注意を払っていて、1900年当時のフランスで行われていたであろうラテン語の発音を復活しているのだそうです。たとえば「イェス」は「ジェズュ」という感じになるなど、私たちが大学で学ぶラテン語発音とはかなりの違いが見られます。
エディションを考えれば、フォーレのレクイエムのフル・オーケストラ版のCDとして、最初にあげられるべきものはこれということになるでしょう。

この曲の録音としては従来まずクリュイタンス指揮のステレオ録音のEMI盤が、その後長い間コルボ指揮のエラート盤が、決定盤的評価を得てきました。しかし今となってはやはりコルボ盤は折衷的なものということになるのでしょうか。

もっともヴァージョンやエディションの問題を抜きにして、独唱者にのみ焦点をあてると、話はちょっと異なってきます。
やはりロス・アンヘレスとフィッシャー=ディースカウは、実に上手いですし、ウォルドマン指揮ムジカ・エテルナ演奏のMCA盤でのマーティナ・アーロヨとヘルマン・プライによる心温まる歌声は、特別なものと感じられます。
意外と駄目だったのはフルネのスイスでのライヴ録音(フルネとしては3度目。日本での録音は4度目にあたる)で、エディット・マティスのソプラノ・ソロに期待したのですが、録音が酷すぎて、マティスの声かどうかも聞き分けられないほど。いくらライヴでもいまどきのCDとは思えないこもった音で、ガッカリでした。

私が残念に思ってるのは、フレーニがこの曲の録音を残してないことです。彼女ならぴったりだったと思うのですが。

写真:セーヌ河

|

« インターネットは実名で? | トップページ | 6月も今日で終わり »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71167/4762990

この記事へのトラックバック一覧です: フォーレのレクイエム・3:

« インターネットは実名で? | トップページ | 6月も今日で終わり »