« チェリビダッケのフォーレ・2 | トップページ | フォーレのレクイエム・2 »

2005年6月16日 (木)

フォーレのレクイエム

20050616FaureJP(チェリビダッケのフォーレ・2の続き)
1888年1月のレクエム初演時には、曲数は現行より2曲少なく、全5曲で構成されていました。
イントロイトゥスとキリエ
オッフェルトリウム
サンクトゥス
ピエ・イェス
アニュス・デイ
リベラ・メ
イン・パラディスム

太字の部分が初演時にはなく後から加えられたものです。つまりバリトン・ソロを含む曲は初演時にはなかったわけです。
またオーケストレーションも変わっていて、管楽器は含まれず、弦楽合奏にヴァイオリンが含まれていないというきわめて変則的なものでした。(サンクトゥスのヴァイオリン・ソロはあり)

この初演時に使われたスコアは印刷譜として出版されることはありませんでしたが、それはおそらくフォーレ自身が改訂の必要があると感じたせいかもしれません。というのは、作曲家は初演後すぐにオーケストレーションの変更に手を付け、それも再演のたびに修正していったようです。
主な修正としてはホルンやトランペットなどの金管を加えたほか、曲数もバリトン・ソロを含む2曲を加えて、全7曲としました。ただしヴァイオリンは最後まで弦楽合奏に加えられることはありませんでした。

ネクトゥーによれば、フォーレが出版できる状態だとみなしたのは1890年のことで、この時アムレ社と出版の契約を結んでいるそうです。しかし実際には出版はその11年後となります。

この時点、あるいは1890年代前半に出版されてれば、フォーレのレクイエムは版の問題で悩まれることはなかったわけです。マドレーヌ寺院でフォーレ指揮によって演奏された形の最終形が分かったわけですから。

ところが出版されなかったために、のちにオリジナル版とよばれるものが編纂されることになるわけです。
出版にこぎつけなかったのには、理由がありました。一つはスコアがフォーレが1888年の自筆譜にたいしさまざまな加筆をした状態でしか残っていなかったこと(つまり清書されたものがなかった。)これがきわめて判読しづらいものだったとのことです。
そしてもう一つはヴァイオリンと木管楽器をふくまない特殊な楽器編成に、出版社側が難色をしめしたこと。
前者はオリジナル版の編纂に際しても、困難をもたらしたと想像されます。(続く)

指揮者のジュリーニが亡くなられたそうです。91歳。悲しくて言葉もありません。ご冥福をお祈りいたします。

|

« チェリビダッケのフォーレ・2 | トップページ | フォーレのレクイエム・2 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/71167/4581133

この記事へのトラックバック一覧です: フォーレのレクイエム:

« チェリビダッケのフォーレ・2 | トップページ | フォーレのレクイエム・2 »