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2005年6月 9日 (木)

トゥー・ヤング

20050609inoueJP古い雑誌を見ていたら、こんなレコード(もちろんLPね)ジャケットの写真をみつけたので、ご紹介しましょう。小澤を除いて、日本人指揮者が海外のオーケストラを振って録音するのはめったになかった時代のもの。白黒写真ですみません。

曲目はモーツァルトのハフナー交響曲とト短調交響曲K550。オーケストラはザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団。はっきりわからないけどおそらく日本人指揮者がモーツァルテウム管で録音したのは、これが初めてだったんじゃないかと思う。

批評は福原信夫さん。
「小澤征爾たちの輝かしい海外における活躍のあとをついで、海外各地で華々しい成果を挙げている日本人は決してすくなくない。この○○○○もその一人なのだが・・・」とこの長髪で文学青年タイプの指揮者を紹介する文章で始まり、
「演奏は若い人にありがちな性急なところがなく、きわめて優美で流麗なモーツァルトである。」となかなかに高い評価。福原さん以外の方も皆さん、この録音には好意的で、たしか宇野功芳さんは絶賛してたんじゃなかったかと思う。
で、○○○○に誰の名前が入るか、この写真でお分かりでしょうか?

実は井上道義さんなのだ!
いったい彼に何があったのだろうか・・・。

レイフ・セーゲルスタム(今でこそグリズリーのような氏だが、若かりし頃はジョン・エリオット・ガーディナーのような知的な雰囲気の好青年だった)にこそ及ばないものの、変貌率第2位の座は確保したと思われます。

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コメント

この写真記憶にあります。70年代、氏は日本で大いに期待されていましたよね。当時ラジオで大木正興氏にインタヴューを受けていたのを聞いたことがありますが、話し方は「文学青年」というより、「ヤンチャ兄ちゃん」風でした。フランスでは、3年前マルセイユで「バタフライ」と「アリアドネ」を振ったことがありました。小生は聴いていませんが、批評は、「バタフライ」はまあ好評、「アリアドネ」はまあ不評位だったような記憶があります。
セーゲルスタムは、定期的にパリ管や仏国立管に客演していましたが、小生は97年だったかにフィンランド放送響で聴いたのが最初で最後です。「フィヨルドの怪物」が出てきたかと思う程の「預言者」風と言いますか、これで出で来る音楽がもう少しスゴければ(決して悪くなかったのですが)カリスマになりそうな風貌的迫力でした。若い頃インテリ風だったというのはトンと知りませんでした。dognorahさんのサイト(http://dognorah.exblog.jp/m2005-04-01/#1544835)で拝見したパヴァロッティ32歳の「知的風貌」にも唖然でしたが。

投稿: 助六 | 2005年6月10日 (金) 07:37

助六さん

井上さん、もともとヤンチャ兄さん風だったんですね。ではこの写真の根暗っぽい雰囲気は、きっと作り物だったんでしょうね。こういうのが受けてた時代だったのか・・・???

このレコード批評の記事は音楽之友社が出していたFM雑誌「週間FM」のものですが、前後の号をみるとショルティの「タンホイザー」だとか、バーンスタインの「バラの騎士」とか、カラヤンの「ボリス」とか、クレンペラーの「コジ」とか、ベームの「カプリッチョ」とかが新録音として紹介されています。
ふぅ。なんだか名前並べただけでもとっても華やかですねぇ・・・

コリン・デイヴィスの「フィガロ」では、歌手に対する批評でガンツァロッリやフレーニについては絶賛しているものの、伯爵夫人のジェシー・ノーマンについては一言もなく、執筆者がいま読み返したら、結構汗汗・・・かと思われます。

セーゲルスタムはMETのボエームで来日した頃は(見ていませんが)、まだ痩せてたと思います。
パヴァロッティは、私もカラヤンのヴェルディ/レクイエムの映像版を見て、ビックリでした。若い頃は端正な二枚目だったんだよと言う話は、前に誰かから聞いていたんですが・・・

投稿: TARO | 2005年6月10日 (金) 10:25

ジャケットをみて、おさかな♪の頭の中には「サイモン&ガーファンクル」が流れました。
(70年代 フォークソング、っていう意味です・・・。)
日本人が海外の芸術部門で活躍していると素直に嬉しく思います♪

投稿: おさかな♪ | 2005年6月10日 (金) 18:19

かぐや姫とか、あんな感じの歌の雰囲気ですね。
当時は4畳半フォークなんて呼ばれていたんでした。

この髪型と眼鏡はあんまりだと思うけど、今の井上さんもちょっとあんまりかも。

投稿: TARO | 2005年6月10日 (金) 21:45

>なんだか名前並べただけでもとっても華やか
当時は意識しなかったけど、今見ると目が眩むライン・アップですね!レコード産業と大物演奏家凋落前の最後の一時期だったということでしょうか。それともオッサンの懐古趣味?

>ジェシー・ノーマンについては一言もなく
日本では80年代半ばに「4つの最後の歌」のレコードが出るまで、彼女は鼻も引っ掛けられない状態でしたよね。私は82年にパリで彼女が「ヴェーゼンドンク歌曲」を歌うバレンボイム指揮パリ管定期に、彼女目当てはなく出かけたら、当日券長蛇の列に唖然、2列目に座って、登場した彼女の巨体に愕然、こちらが吹き飛びそうな声の物理的威力に呆然という状態でした。仏では早くから大人気でしたが、個人的には彼女の声質も表現のタイプも好きではなく、本当に感動したことはありません。01年シャトレの舞台版「冬の旅」とか(私は聴きませんでしたが、批評によれば)、02年やはりシャトレのシェーンベルク「期待」+プーランク「声」とか(こちらは聴きました)では声の衰えが明らかで、かといってそれに替わる何かがある訳でもなく、早くから彼女に熱狂していたパリでも最早売り切れませんでした。

>音楽之友社が出していたFM雑誌「週間FM」
「週間FM」も「FMファン」も廃刊になっていた事を比較的最近知り、感慨ひとしおでした!

投稿: 助六 | 2005年6月11日 (土) 08:26

助六さん

そうなんです。もうFM雑誌は書店で売ってるのは、まったくありません。それだけFMが聞かれなくなってきてるんでしょうねぇ。
今は「FMfan」の後を受け継ぐ形で「FMclub」という番組表だけの薄い冊子が出ていますが、これは予約購読制で、宅配されるため書店では買えません。(正確には番組表のほかに若干の記事が含まれていますが。)

まあNHKのFM放送も年々ショボくなってきていて、日本のクラシック放送は完全に冬の時代です。
インターネット・ラジオがもっと良い音質で聞けるようになったら、FMはますますさびしくなることでしょうねぇ・・・

日本ではノーマンは有名になる前から、演出家の故・三谷礼二さんが最高級の評価をしていましたね。
「期待/声」は昨年日本でも上演されました。
初来日の頃に比べると、声の威力は随分落ちていましたね。あの『底知れない感じ』というのは無くなってたかもしれませんが、ただ声の美しさ、美感は損なわれていなくて、私はとても満足しました。

>レコード産業と大物演奏家凋落前の最後の一時期だったということでしょうか。それともオッサンの懐古趣味?

きっと両方・・・かと。

投稿: TARO | 2005年6月11日 (土) 10:59

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