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2005年8月31日 (水)

グレン・キャンベル、カントリーの殿堂入り(前)

20050831CampbellJPネットニュースはこちらです。

「[ナッシュビル(米テネシー州) 29日 ロイター] 米カントリー音楽界で、ミュージシャンのグレン・キャンベル、グループのアラバマ、ハーモニカ奏者のデフォード・ベイリーが新たに殿堂入りする。米カントリー・ミュージック協会(CMA)が29日明らかにした。 (中略)
 グレン・キャンベルはアーカンソー州生まれで、代表曲は「ラインストーン・カウボーイ」。1964―65年にはビーチボーイズとツアーしたほか、ジョ ン・ウェインの映画「勇気ある追跡(True Grit)」で共演したこともある。75曲以上がカントリー・チャート入りした。」

グレン・キャンベルの略歴の紹介。間違ってはいないけど、なにかが変。

グレン・キャンベルは1938年、アーカンソー州デライトに12人兄弟の7番目の子供として生まれました。
1960年代の終わりから70年代にかけては、アメリカの国民的スターとさえいえるポジションにいた歌手ですが、グレンの名前が最初に音楽ファンに伝わったのは、12弦ギターの名手として。ギタリスト時代のグレンは、リッキー・ネルソンのバックミュージシャンとして来日したこともあるそうです(1966年)。

歌手としては1960年代の初めに「振り返った恋」がマイナーヒットしましたが、特にこれといった注目も集めず、ずっと『歌も上手いギタリスト』だったようです。
それが一夜にして大スターになったのは1968年のこと。前年度(1967年度)のグラミー賞が発表された時でした。

67年の暮れに発表された「恋はフェニックス」で最優秀男性歌手部門を含む2部門、また「ジェントル・オン・マイ・マインド」で最優秀カントリー男性歌手部門など2部門受賞。この年、一人で4部門を制覇したのです。
(さらにアルバム「恋はフェニックス」は翌68年度のグラミー賞でアルバム・オブ・ジ・イヤーを受賞。)

「恋はフェニックス」を作詞・作曲したのは、当時はまだ20代の初めだった天才ジム・ウェッブ。
ウェッブとのコンビでは、この後も「ウィチタ・ラインマン」など数多くのヒットを放つことになります。

この頃のグレンの曲は、従来のカントリー&ウエスタンの泥臭さは脱しているものの、都会派のポップスともまるで違うもので、「ポップ・カントリー」などと呼ばれました。このためカントリーやブルーグラスなどが好きな人達からは、グレン・キャンベルはポップス歌手であって、カントリー歌手じゃないなどと誹謗されたりしました。

しかしそんな一部の非難をよそに、男らしい渋い低音と、対照的に明るく輝かしいハイトーン。中西部の自然を感じさせるような、さわやかさとスケールの大きさ。暖かさや懐かしさの中に、ちょっと翳りをおびた寂しさが漂う。こうしたグレン・キャンベルの歌の個性は、多くのアメリカ人の心にぴったりとフィットしたらしく、キャンベルは瞬く間にトップの座についてしまいます。

60年代終わりのキャッシュ・ボックス誌の投票ではシナトラを押さえて、男性ヴォーカリスト部門の一位に輝いていますし、ニクソン大統領が訪中する時の同行ミュージシャンに選ばれるのではないかという話もありました。(その時点でのトップ・アーティストを連れて行くという話になっていたのです。そのうわさが出たのは訪中のずっと前のことで、その後グレンはビッグ・ヒットにめぐまれず、実際はニール・ダイヤモンドになったように記憶しています。)

また69年にはジョン・ウェイン主演の映画「勇気ある追跡」にウェイン、キム・ダービーと共演。キャンベルが歌った主題歌(エルマー・バーンスタイン作曲)はアカデミー主題歌賞にもノミネートされました。

しかしちょっと不思議なのは、歌手としてはいままで述べたように人気投票のトップにくるほどだったのにもかかわらず、曲自体はあまりヒットしていないのですね。代表曲「恋はフェニックス」にいたっては全米で最高62位にしかなっていません。

グレン・キャンベルの出した曲が初めて全米ナンバー1になったのは1975年の「ラインストーン・カウボーイ」で、続く「哀愁の南(サザーン・ナイツ)」もナンバー1になりましたが、全米1位はこの2曲だけしかないのです。
(明日に続く)

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コメント

はじめまして。突然の訪問&書き込み失礼します。

この度、自分が運営しておりますブログ『洋楽ROCK最新NEWS!!』にて、グレン・キャンベルについての記事を書くにあたってTAROさんの記事が大変参考になったので、当ブログからリンクの記事からリンクを貼らせてただきました!

もし不都合等ございましたら、ご連絡下さい。すぐに対処いたします。

http://boblogmushroom.tank.jp/?p=297
こちらがリンクしたページです。

では、ながながと失礼いたしました。
これからも更新がんばってくださいね!

投稿: Lihito | 2008年8月 2日 (土) 15:15

Lihitoさん、はじめまして。

コメントとリンク、ありがとうございます。
グレン・キャンベルの新しいアルバム、面白そうですね。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲をグレンが取り上げるとは…

>もし不都合等ございましたら、ご連絡下さい。

勿論、不都合などはありません。ありがとうございました。

投稿: TARO | 2008年8月 3日 (日) 14:03

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