ワグネリアンは・・・以下略
加藤浩子さんと守山実花さんの共著による「オペラを聴くコツ バレエを観るツボ」という本が、先月出たので読んでみたんですが、ちょっと不思議な本でした。
加藤さんはおなじみの音楽ライター。守山さんはバレエ評論家です。
全編二人の対談というかおしゃべりで綴られた内容で、対談集といっても、普通は後から手をいれて読みやすいものにするのに、おしゃべりの雰囲気をそのまま残したものというのは、芸術関係のジャンルでは、かなり珍しいんじゃないかと思います。週刊誌のタレント同士の対談とかではよくありますが。
加藤さんの書くオペラ入門書は、私はかなりいいと思ってるんですが、この本に関しては対談形式にしちゃったために、かえって散漫で読みづらいものになってるような。
それはともかく、ちょっと笑っちゃいそうな台詞が。加藤さんの言葉です。
ワーグナーを聞きに行くと、会場が男性ばっかりなんですよね(笑)。
でね、「ワーグナーに何でそんなにハマるんでしょうね?」って話になったら、「それはやっぱり音楽が官能的だからじゃないですか?」って言った人がいたんですね。それにしては「ワグネリアン」って、あんまりセクシーじゃないかも?(笑)
そう。確かに。
キムタクがワグネリアンだったら凄く似合わない感じ。モーツァルトやプロコフィエフだったらありかなという気もしますが。
ということで思い出したのが、私の学生時代の同級生です。
そう。彼はワグネリアンで、あろうことか卒論でワーグナーを取り上げるという話だったのでした。
といっても私が通ってたのは音大ではなく、普通の大学の文学部だったのですが。
私はその頃はすでにワーグナーには興味は無く、フランス音楽とイタリア・オペラが好きでしたが、例によって中学生から高校生ぐらいにかけて、ワーグナーはさんざん聴きましたから、多少の話は出来るぐらいの心得はあるつもりでした。
当然訊きました。「どの作品が好きなんですか?」と。
すると彼はギロっと睨んで、そっぽをむいたのです。(ただでさえとっても怖そうな顔の人だった。)
ハァ・・・?
なんか悪いこと聞いた?
口が聞けない人かと思ったのですが、そうではなくて、その人は教授・助教授としか話をしない人だったのです。
まあ、なんつーかビックリ。同級生はおろか院生ともいっさい話をしない人がいるとは。
いったい卒論でどんなワーグナー論を展開するのか、大変に興味があったのですが、残念ながら彼は段々研究室には顔を見せなくなり、結局同じ年には卒業しなかったので、卒論の中身はわかりません。
そんなこんなで、ワグネリアンというと私はついその人のことを思い出して、かなりネガティヴな気分になるのです。
男性のセクシーさについて論ずるには、私はかなり不適ではあると思いますが、彼もたしかにセクシーとは無縁の今で言うオタク系だったような。
といっても他人のことはいえず、私自身もセクシーとかセックス・アピールとかいう言葉とは、まるで無縁なヴィジュアルなので、ワグネリアンの資格は十分なんですが。でも違いますけど。
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コメント
ヴァーグナー自身は、ブサイクながら女性にかなりもてたようですよね。まあこれは分かります。
画像の肖像は「良い方向に矯正」してあるのか、「さらに歪めた」感じなのか、考えてしまいました。
小生がすれ違った「自称ワグネリアン」氏3名も(以下略)。1人例外あり…かな(笑)。
投稿: 助六 | 2006年10月28日 (土) 10:49
>ワーグナーを聞きに行くと、会場が男性ばっかり
えーそうかしら??とチャチャを入れたくなりますが、確かにブログ仲間をぐるっと見渡してみると、ワーグナーが好き~~と言っている女性は、私とedcさんくらいですから、一般的にみるとそうなんでしょうかね。
>「ワグネリアン」って、あんまりセクシーじゃないかも?(笑)
自称いんちきワグネリアン…とはいうものの、最近は違うほうに走ってるせいか?あんまり熱心じゃないかなぁ。
違うほうって、音楽の好みのことですよ。ロシア歌曲とかの(笑)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006年10月28日 (土) 19:56
助六さん
非常に多くの女性が、必ずしも顔では選ばないという事実は、実に喜ばしいことです。あ、もちろん助六さんの場合はハンドル・ネームがハンドル・ネームですから、常にモテモテなはずですが。
>1人例外あり…かな(笑)。
3分の1ならむしろ確立は高そうですが、分母が5になっても10になっても分子が1というのは変わらない恐れの方が大きいかも・・・。ワグナーの顔は木彫っぽくしてみました。
投稿: TARO | 2006年10月30日 (月) 23:32
ヴァランシエンヌさん
最近はワーグナーの舞台にはすっかりご無沙汰なんですが、確かに以前はあまり女性は多くなかったような気はしますね。
私の印象では、ヴァランシエンヌさんもeuridiceさんもワグネリアンというのではなくて、「オペラ全般が好きなんだけれど、中でもワーグナーを熱愛」という感じですけど。
ワグネリアンは「たとえ他の作曲家のオペラを全て失っても、『ラインの黄金』1曲を選ぶ」みたいな人じゃないかと。熱愛を越えて溺愛とか耽溺とか。
>違うほう
今店頭に並んでる音楽の友社の「グランドオペラ」誌の特集は、『テノール万歳!』ですって。どうも次々とヴァランシエンヌさんを逆撫でするような特集を組む出版社みたいですよ。(笑
投稿: TARO | 2006年10月31日 (火) 00:15
>『テノール万歳!』
まあねぇ、ジャーナリストは分類してラベル貼りするのが仕事なんでしょうけど、「テノール」ったっていろいろあるじゃん、「万歳」のばかりじゃないわっ.....
投稿: edc | 2006年10月31日 (火) 07:28
>>『テノール万歳!』
>次々とヴァランシエンヌさんを逆撫でするような特集を組む出版社みたい
いいんです…ニッチなところへ限りない愛情を注ぐことに、小さなヨロコビを感じておりますからp(・・,*) グスン
(以上、公式回答)
(以下、本音^^;)
ふん、どうせフ○ー×スのことでしょ?と思ってあの出版社のサイトを覗いたら、リンデンのカルメンで、私の大事なカレを蹴っ飛ばしたヴィラゾンも「いま輝くテノール」ですか(("○( ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄メ)プルプル
http://www.ongakunotomo.co.jp/magazine/grandopera/index.html
この時の舞台写真の片隅にエスカミーリョが掲載されているとか、そういうことがあれば…読んで「あげても」よろしくてよ。
>「テノール」ったっていろいろあるじゃん、「万歳」のばかりじゃないわっ.....
そうですよー。「万歳」には限りがあるんです(笑)それはテノールでも、低音でも一緒ですけどね。
それにしても、Metの来日公演の時には「今、世界は低音の時代!スリー・ビューティフル・バス&バリトンズ」とか言う、恥ずかしいような宣伝文句でホロストフスキー、シュロット、パペ先輩の3人をネットでは盛んに取り上げていたじゃないですか。
http://www.japanarts.co.jp/html/20060216news/20060216news.html
まあ出版社とMetの主催者は別とは言え、その場限りの流行を作り出そうとする風潮は同じですわね。
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006年10月31日 (火) 08:59
euridiceさん
>「テノール」ったっていろいろあるじゃん、「万歳」のばかりじゃないわっ.....
そういう時は「バンザイ」じゃなくて「マンザイ」と読みましょう。
投稿: TARO | 2006年10月31日 (火) 13:21
ヴァランシエンヌさん
ふふ(笑。まあヴィラゾンはどう考えても、今輝いてるテノールでしょう。録音でしか聞いたことないですけど、あの声、あの歌ですから、もし顔がカレーラスだったら今頃凄いことになってるのでは。Mr.ビーンなのがちょっとですけどね。いずれにせよ輝いてない歌手と共演するよりは、輝いてる歌手と共演する方がいいし。
「スリー・ビューティフル・バス&バリトンズ」はいくらなんでもね・・・。ま、あれよりは「テノール万歳」のほうが、まだ恥ずかしくないかも。
投稿: TARO | 2006年10月31日 (火) 13:33
>ヴィラゾン
>もし顔がカレーラスだったら
((o(>▽<)o)) きゃははっ♪
そういえば、ヴィラゾンはいずれ、トリスタンを歌うとかいう噂があるんですよ。なんかのインタビューで話していたみたいですが…
(その時のマルケ王は、ダレカさんでお願いしたいわ。そして「私がイゾルデなら、トリスタンよりもマルケ王を選ぶわっ」と言うつもりです)
>輝いてない歌手と共演するよりは、輝いてる歌手と共演する方がいいし。
それは言えますね。
本人にとっては色々刺激もあるでしょうし、ファンにとっても、たとえ有名歌手のおこぼれでも、ネット放送やらTV放送の機会が増えますから…ネ。
>「スリー・ビューティフル・バス&バリトンズ」はいくらなんでもね・・・。
あれはねぇ。それこそ「死ぬほど恥ずかしい」ですよ(^^;
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006年10月31日 (火) 14:09
ヴァランシエンヌさん
うひゃ。。。トリスタンですか?ずっと先の目標ということじゃないのかなあ(?)。ヴィラゾンがトリスタンを歌えるような声になるには、相当かかりますよね。ドミンゴでさえ舞台では歌ってないですよね。先日の録音もパリアッチをやり、オテロをやり、ローエングリンをやり、パルシファルとジークムントをやり、ついにとうとうという感じでしたからねえ。
たぶんずっと早くマルケ王を歌うんじゃないでしょうか。きっとトマス・モーザーやジョン・フレデリック・ウェストやヨハン・ボータやジョン・トレレーヴェンを相手に、「私ならこんなデブスタン(失礼!)じゃなくてマルケ王を選ぶわっ」と叫んでるかと。
投稿: TARO | 2006年10月31日 (火) 23:20
>トリスタンを歌えるような声
ってどんな声かしら?
例えばモーザー、舵取り@オランダ人、若い水夫@トリスタンの録音でいい声だなぁ....って聞き惚れてた方なんですけどね。トリスタン@トリスタンには唖然。もっと若い方かと思ってたんですけど、調べてみたら、1945年生まれ。トリスタン@トリスタンは2003年だもの・・・
黄昏れちゃった出がらしみたいな声になってから「若い英雄」になるのが定番化しちゃ、悲しいわぁ・・・ もっといい時に歌ってほしいわ!
フロレスタン@新国2005年では外見もトド化してたし・・・
投稿: edc | 2006年11月 1日 (水) 14:58
>スリー・ビューティフル・バス&バリトンズ
>『テノール万歳!』
どっちの話題にも逆撫でされまくって逆毛が立ちまくってどうにも居たたまれないりょーでした。今回のグランドオペラは出たら買おうと思ってたのに買う気を失って置いて帰ってきちゃいましたよ。
投稿: りょー | 2006年11月 1日 (水) 20:53
TAROさん:
>「私ならこんなデブスタン(失礼!)じゃなくてマルケ王を選ぶわっ」
ダーリンは華奢ですから、そのトリスタンたちが相手ですと、押しつぶされちゃいそうだわ…(^^;
えーっと。
逆撫でされるのも面白いかと思って「グランドオペラ」立ち読みしてきました ⇒ で、記事書いちゃいました(^^;
(コメント欄、一部引用させて頂いてます)
edcさん、「期待のヘルデンテノール」ネタもございますわよ。
りょーさん、いたたまれない気分は我が家で解消して行って(^^!
皆さまのお越しを、お待ちしています~~
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006年11月 1日 (水) 21:43
euridiceさん
トリスタンを歌える声にはいろんな条件が要求されるでしょうね。分厚いオーケストラを突き抜けて響く声。つまり声量とまっすぐに飛んでくる響き。3幕の長丁場を最後までもたせるスタミナと、歌いきっても喉を痛めないだけの強い声帯。ワーグナー特有の息の長いフレーズを支えきるだけの力量(横隔膜の問題かも)。そんな感じでしょうか。
(声の美しさや表現力、気品、ドイツ語の発音の上手さと美しさといった要素はもちろん必要ですが、それは別にリリック・テノール→ドラマティック・テノールの変化の段階で問題になることではないので無視して。)
ヴィラゾン(ビリャゾン)については生で確認してないのではっきりとは分かりませんが、録音で聞く限りでは上記の要素を今持ち合わせてるとはとても思えません。ドン・カルロあたりまでなら歌えると思いますけども。
ついでながら特にトリスタンということではありませんが、ドイツものとイタリアものでは発声が違いますし、母音中心の明るい響きをつくるか、子音を強く発音するかなどの違いもありますね。
ドミンゴは非常に努力してドイツ語をクリアに発音しようとしてると思いますが、その彼でさえ語頭のアタックが弱いと指摘されますし。ラテン系でイタリアもの中心の歌手がドイツものを歌う時の困難さは、とても大きなものがあると思います。
トマス・モーザーを初めて聞いたのは80年の初来日の時の「後宮からの誘拐」でしたから、トリスタンの録音を聞いたときは、ちょっと感慨のようなものがありましたね。でもまあ私の興味は98%ヴォイトのイゾルデに向かってたので、モーザーがどんな歌だったかあまり覚えてないんですけど。
投稿: TARO | 2006年11月 2日 (木) 01:33
りょーさん
逆毛が立ちまくって!(笑
店頭で「グランドオペラ」を眺めながら、じょじょに逆毛が立って髪の毛が荒れていく様をつい想像・・・
フローレスが素晴らしいテノーレ・レッジェーロであることは認めますが、レパートリーが極端にせまくて「え?この人がテノール万歳の代表選手なの?」って感じでしょうか。「ロッシーニ・テノール万歳」特集ならわかるけど。
スリー・ビューティフル・バス&バリトンズは、やはりビューティフルという部分の軽薄感がお笑いですよね。
投稿: TARO | 2006年11月 2日 (木) 01:47
ヴァランシエンヌさん
華奢なダーリンは容姿からいけばクルヴェナールが似合いそうですね。でも声はマルケ王ですけどね。というか声はかなりマルケ王に向いてそうですね。特にヤンソンスとのヴェルレクのときの声と表現。フィガロの声からはマルケ王というのはおよそ想像できなかったんですが。
投稿: TARO | 2006年11月 2日 (木) 01:53
TAROさん
>80年の「後宮からの誘拐」
きっといい声だったことでしょう!
>>トリスタンを歌えるような声
要するに「巨大で強靭」ということですね...
>変化の段階
ここでそれまであった「美質」が減少しちゃったり、
減少しちゃったから移行するなんてこともあるのかも・・
朝からわが家にに入れないわ..... ソネット相変わらず不調^^l
投稿: edc | 2006年11月 2日 (木) 07:37
>ヴィラゾン(ビリャゾン)
スペイン語表記についてのご指摘、ありがとうございました。
今後直して行きますね。
彼のトリスタンの真偽の程は定かではありませんが、ドン・カルロは既に映像がありますね。見てないですけど。
2008年にはリンデンで初のカヴァラドッシ(バレンボイムの指揮で)歌う予定とも書いてありました。まだ歌ったことがなかったんですねぇ。
>>華奢なダーリン
>でも声はマルケ王ですけどね。
>特にヤンソンスとのヴェルレクのときの声と表現。
いやん。記憶が蘇るわ~~
TAROさん、巧く私のオンナゴコロを突いてきますねf(^^;
(こうやって誉められると嬉しくなる私は、やっぱり華のある人気テノールより、渋いバスに愛情を注ぐほうが、身の丈に合ってるってことですね…)
投稿: ヴァランシエンヌ | 2006年11月 2日 (木) 11:03
euridiceさん
>ここでそれまであった「美質」が減少しちゃったり、
それは結構例がありそうですね。アライサなんかはワーグナーに移行する直前には、高音域すっかり粗くなってしまってましたね。中低音域は充実してたし、歌はますます上手くなってたので、惜しかったですが。
「ワーグナーには早すぎるというのは」、やはり無理して大声を出して、喉を壊さないまでも、結局それまでの美点だった声の透明さとか繊細な表現を失ってしまうからということですよね。この場合ワーグナーをヴィオレッタとかノルマとかに変えても同じなんですが。
投稿: TARO | 2006年11月 2日 (木) 13:30
ヴァランシエンヌさん
>リンデンで初のカヴァラドッシ(バレンボイムの指揮で)
へえ、そうなんですか。ビリャゾンよりもむしろバレンボイムが「トスカ」を振るということの方にびっくり。ふう~~む。大成功か大失敗かどちらかのような気がします。この前のカルメンから推して、ここぞという所で煽るのは上手そうですが。
投稿: TARO | 2006年11月 2日 (木) 13:49