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2007年6月25日 (月)

On Golden Pond

20070625yoheijpAFIのアメリカ映画トップ100は、”The greatest”というくくりなので、映画史的に重要な作品や、一般的に名作として評価の高い作品が、どうしても上位を占めてしまいますね。
映画祭のように審査員が全員同じ作品を見て、その中で上下をつけるのと違って、こうしたアンケート方式のものは、よく見られてる作品が票を集めるというのもありますし(どんなに優れた作品でもマイナーすぎて誰も見てなければ、票を入れる人もいないので)。
日本語で言う「偉大な」とアメリカ人が使う greatest では、ニュアンスは違うんでしょうけれど、やはりグレートな作品群です。

そのなかではやはり心にしみ入る小品などというのは、入る余地がないんでしょうか。
たとえばキャサリン・ヘップバーンとヘンリー・フォンダの「黄昏」(原題:On Golden Pond)、ハーバート・ロス監督の「グッバイガール」など、私だったらどうしても100本の中に入れたい作品ですが、入ってこない。
シドニー・ルメットも「質屋」の方が「ネットワーク」「十二人の怒れる男」より、深みもあれば感動的でもあると思うんですが、入らないんですね。

マーティン・ブレスト監督の「ミッドナイトラン」や、アラン・ルドルフ監督の「モダーンズ」など小気味良い佳作も、私だったら絶対に外せないところです。

写真:我が家の近所の Golden Pond

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コメント

「グッバイガール」主題歌が好きなので、今でも時々聞くけど、何かあまりにも近くにありすぎて自分では手垢の着き過ぎた映画っていう気がしたのですが、人に影響されやすい性格なので、もう一度、見たくなりました。公開当時、映画館で3回くらいみたと思います。

投稿: Bello | 2007年6月26日 (火) 07:10

>「ミッドナイトラン」
こういう楽しい映画は、なかなかないですね。
LDでも、繰り返しみました。

これには、ちょっと思い出話が....
この頃、夫が単身で、関西方面に行ってまして、この「ミッドナイトラン」を見て、娘のことを思い出して、涙がでた...なんて手紙(あの頃は手紙でしたね)をよこしたので、えぇ、そんな泣ける場面ってどこよってことなんですけど...離婚した妻のところに行って、娘が自分の貯金を渡してくれる場面だそうです....この映画に限らず、同じ年頃の子供が出てくると涙が出る...なんて言ってました。
ヘェ〜、男親なんてそんなもんなんだ、と思ったことがあります。

『俺たちは天使じゃない』も同じ頃ですよね。この頃のデ・ニーロって、こういう軽いものに出ていたんですね。

投稿: keyaki | 2007年6月26日 (火) 10:08

>「ミッドナイトラン」
見ましたよ。
>デ・ニーロ
けっこう好きな俳優のひとりでした。

投稿: edc | 2007年6月26日 (火) 10:12

Belloさん

ブレッドのデイヴィッド・ゲイツの曲ですよね。
この映画は好きでノヴェライズまで読みました(ニール・サイモンの映画用脚本がオリジナルですが、ノヴェライズは当然サイモンではなく別の人)。でもやはりもともと小説原作のものと違って、ノヴェライズだと映画に寄り添いすぎていまいちだったかも。

>人に影響されやすい性格なので、

本当に影響されやすいですよね。(笑

投稿: TARO | 2007年6月26日 (火) 22:21

keyakiさん

この娘とのシーンもよかったですが、他にもグッとくるシーン、グッとくる台詞満載の映画でした。
無駄なシーンが一つもなくて、しかも全部の場面に味があるという作品はなかなか無いと思います。ハリウッドのウェルメイドの伝統は、ちゃんと生きているって感じが。

「俺がデ・ニーロだ」って感じでバーンと出てくるのもいいですが、この手の作品では決して一人主役面せずに、ちゃんと抑えるところは抑えて、グローディンを立てるところは立てて、バランスを取れるあたりがデ・ニーロの名優たる所以だと思います。
「俺たちは天使じゃない」は見ましたが、デ・ニーロの演技は何故かそんなに印象に残ってないですね。ショーン・ペンの方が記憶にあるかも。
この頃のコメディ路線だとビリー・クリスタルとの「アナライズ・ミー」なんてのもありましたが、これはいまひとつでしたかねぇ。

投稿: TARO | 2007年6月26日 (火) 22:32

euridiceさん

もしこれが100本の中に入ってたら36本になったわけですね。
特殊なキャラは、演技力があれば出来ると思うんですが、この「ミッドナイト・ラン」のラストシーンのような、グローディンに十分に見せ場を作ってやって、なおかつきちんと映画の最後を〆る。これはちょっとやそっとじゃ出来ないと思います。

しかも哀愁も漂わせてますしね。
いつのまにか友情も芽生えて、最後にグローディンから大金を貰って、でもこれはおとぎ話。バウンティハンターなんて職業は結局永遠に哀しい生活を送らなければならないというあたりまで、感じさせてしまうのが凄いかなと思います。


投稿: TARO | 2007年6月26日 (火) 22:49

ご近所のGolden Pond画像、美しいですね〜!
まるでシベリウスの交響曲のジャケットに使われる北欧の風景のよう…。

投稿: ayame | 2007年6月27日 (水) 02:07

ayameさん

ここは私の家から歩いてほんの数分のところにある与兵衛沼という沼なんですが、驚いたことに人造湖です。
ちなみに、こんなところ。
http://taroscafe.cocolog-nifty.com/taroscafe/2005/05/post_293a.html

>シベリウスの交響曲のジャケット

そういえばBISあたりにあっても不思議なさそうな・・・。

投稿: TARO | 2007年6月27日 (水) 10:14

「モダーンズ」は私も好きです。本当に小気味よいですね。ネットで検索してもミッドナイトランほどにも語られてないのが残念です。映像も音楽も脚本も俳優も最高だと思うのですが。

日本人にとっては、栗田豊通が撮影であるとか、日本人ファンが多そうなジョン・ローンが出てるとかのポイントがあり、日本でだけでももっとウケてもよさそうなのに。

投稿: マル季 | 2007年7月 2日 (月) 13:32

マル季さん、いらっしゃいませ。

マル季さんも「モダーンズ」お好きなんですね。嬉しいです。なにしろこれまで、「モダーンズ」がいかに素敵だったかを力説しても、「そう?そんなに良かった?」などと凄く熱の無い反応をされるか、「そんな映画知らない」ともっと冷たい反応をされるかのどちらかで、実に寂しい思いをしておりました。

おっしゃるように、

>映像も音楽も脚本も俳優も最高

でしたね。マーク・アイシャムの音楽は他の映画の場合は映像と一緒になって初めて効果を発揮するような書き方がされてると思いますが、この「モダーンズ」に関してだけは音楽だけ独立して聴いても魅力的です。
栗田さんの撮影のすばらしさについては言うまでもなく。

ルドルフがこの後デミ・ムーアとやった「愛を殺さないで」は、残念な出来に終わりましたが、カメラが栗田さんじゃなかったのが大きかったように思います。

投稿: TARO | 2007年7月 2日 (月) 21:43

お返事ありがとう。
そう、私もルドルフってこれ以外はあんまり好きじゃないんですよね。「愛を殺さないで」は好きなほうですが。

映画音楽家アイシャムにとっては、モダーンズが最高の仕事なんじゃないかと思ってしまいます。ゲーリー・オールドマン主演の「蜘蛛女」やルドルフの師匠アルトマン監督の「ショートカッツ」なんていうのもけっこういいですけどね。ヴォネガットの「チャンピオンの朝食」をルドルフが映画化したのも作品はチョー退屈だったけどアイシャムの音楽は最高でした。

ところで、いろんなところでこの映画の話をするたびに必ず言って、しかしあんまり期待した反応が得られないネタなのですが、この映画とオードリー・ヘプバーン主演の「おしゃれ泥棒」と深いつながりがあるのでは?
モダーンズの共同脚本家と「おしゃれ泥棒」の脚本家は苗字が同じブラッドショーで、おそらく親子かなにかと思われるのです。作品の最後に「FOR BRADSHAW」というフレーズが出るのは、どちらの脚本家へ捧げてるのか分かりませんが。
そして、双方ともパリが舞台、贋作がキーになる筋立て。
そして、キャラダイン演じる主人公の名がニコラス、ヘプバーンの役名がニコル。愛称は双方「ニッキー」になるはず。
リンダ・フィオレンティーノ演じるレイチェルがニコラスのアトリエを訪れる夜に、スカートからシュミーズがはみ出たようなかっこう(いわゆるシミチョロ?)なのですが、ヘプバーンも「おしゃれ~」の中でそういうスタイルになるくだりがある。
あと、これは取って付けたようですが、ジョン・ローンとピーター・オトゥールがそれぞれ出ていて「ラストエンペラー」つながりとか(笑)。
私は「おしゃれ~」のほうはべつに好きではない、というか、途中で観るのを中断してしまったのですが、この共通点だけは気になるのです。

あと、ハワード・ホークスの「脱出」とのつながりもありそうなのですが、これについては割愛。

投稿: マル季 | 2007年7月 3日 (火) 16:27

マル季さん、こんばんは。

気になったので調べてみましたが、2人のブラッドショーの関係、よく分かりませんでした。
「モダーンズ」のジョンの方はカナダのオンタリオ州ストラットフォードの生まれ(1952年)ということが判ったのですが――ちなみにこちらのストラットフォードにもエイヴォン川という川が流れていて、シェイクスピア祭りなんてのもやってるらしいです――、「おしゃれ泥棒」のジョージ(原作者)の方は出身も居住地もよくわかりませんでした。エドガー賞やMWA賞の候補に挙がったりしてるので、短編小説家としては、それなりに知られてる人みたいですが。

Nicole とNicolas というのは、確かに怪しいですね。
でも「おしゃれ泥棒」はウン十年前の中学生時代に見ただけで、冒頭のベージュの帽子をかぶったオードリーが素敵だったことと、ジョン・ウィリアムズの音楽が良かったこと以外、細部は全然覚えていないのです・・・。

>期待した反応が得られない

というのは、どうも私も同じなようです。すみません・・・

投稿: TARO | 2007年7月 3日 (火) 23:35

いや~、調べてくれてありがとうございます。

昨日見た「スパングリッシュ」(『愛と追憶の日々』『ブロードキャスト・ニュース』などのJ・L・ブルックス監督)の製作総指揮も「ジョーン」・ブラッドショーで、また邪推してしまいました。ブラッドショーというのは多い苗字なのかな?
でも、俳優のキューザック姉弟もジョーンとジョンなので、兄弟へのそういう名づけ方ってけっこうあるのかな、と。キューザック家も映画関係者一家で、親は脚本家かなにかだと思います。

ホークス版「脱出」と「モダーンズ」のつながりですが、①ヘミングウェイつながり、②フランス滞在アメリカ人が主要登場人物、③酒場でピアノ弾きながら歌う男が出てきてキャラもよく似てる、④ローレン・バコールとフィオレンティーノのハスキーボイスなファムファタールぶり・・・・などなどです。

投稿: マル季 | 2007年7月 4日 (水) 09:08

マル季さん

わ、ビックリ。IMDbでジョーン・ブラッドショウの経歴をみたら、actressとして50年代の作品も掲載されてます。なんと50年代には女優をやってたんでしょうか???

製作側の人間としては、ユニット・プロダクション・マネージャーを経て、プロデューサーになったようですが、UPM時代には「イエス・ジョルジョ」(パヴァロッティ主演)なんて作品も。
actressの方は別人か、あるいは子役?
actressのジョーンが別人だったら、ジョンと夫婦。子役だったらジョンの妹という可能性も大きいですね。

>ホークス版「脱出」と「モダーンズ」のつながり

え?と思いましたが、こうして列挙されると、説得力がありますね。う~む。

投稿: TARO | 2007年7月 4日 (水) 23:06

いやあ、また調べてくださってありがとうございます。ルドルフ自身も監督だか俳優だかの映画人の息子だから、古い映画の引用とかオマージュをやりそうな感じがするのです。

私もIMDB当たってみようかな。

投稿: マル季 | 2007年7月 5日 (木) 10:03

マル季さん

たしかにあの映画にはさまざまな引用が含まれていそうですね。特に「脱出」のヘミングウェイ繋がりは、もうすこし仔細に検討する必要があるか知れないですね。色々補強証拠が出てきそうな予感が。

ハリウッドの2代目というのは本当に多いですね。やはりハリウッドやグレンデイルに住んでいると、必然的に映画界へ進むことになるんでしょうね。
UCLAの映画学科とかを出たエリート・グループと、ハリウッド2代目グループと、二大勢力ということになるんでしょうか。

投稿: TARO | 2007年7月 5日 (木) 13:41

あと、タランティーノとか「セブン」の脚本家みたいなレンタルビデオ店員系=危ない系(笑)

投稿: マル季 | 2007年7月 6日 (金) 20:50

マル季さん

タランティーノ一座を忘れていました。
あの辺りが超・不得意分野なんです。

投稿: TARO | 2007年7月 7日 (土) 03:24

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