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2007年7月 6日 (金)

クレスパンも!

20070706crespinjpビヴァリー・シルズに続いて、なんとレジーヌ・クレスパンも亡くなったそうです。80歳でした。

クレスパンはフランスのソプラノ歌手で、50年代から70年代にかけて、特にフランス物とワグナーで活躍しました。
レコーディングはほとんどが名盤とされていて、中でもショルティとの「ワルキューレ」(ジークリンデ)とカラヤンとの「ワルキューレ」(ブリュンヒルデ)、アンセルメとの「シェエラザード/夏の夜」などは、声楽好きなら誰もが聞いたことがあると言ってもよいかもしれません。

この他ベルリオーズやフォーレ、プーランクのオペラ、それに「薔薇の騎士」のマルシャリン歌いとしても知られていて、ショルティと全曲録音しています。また全曲録音は残しませんでしたが、ワグナーはエリーザベト、エルザ、クンドリーなどを得意にしていたようです。

そういえば、彼女はなかなかのユーモアの持ち主で、昔インタビューで「イゾルデを歌うのに最も必要なものはなんですか?」と聞かれて、「良い靴よ」(<何時間も立ちっぱなしだから)とか答えていました。

来日してリサイタルを行ったこともありますが、残念なことに私は聞いてません。そのコンサートを聴きにいった友人によれば、発声にあわせて物凄いボリュームの胸が上下するのが、凄かったとか。

クレスパンの全盛期は50―60年代ということになるんだと思いますが、70年代にはメゾの役であるカルメンにもチャレンジしたようです。

ご冥福をお祈りいたします。

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コメント

ドイツでの訃報の扱いは比較的大きいです。やはり、クリュイタンス推薦で、南の声を求めたヴィーラント演出のクナッパーツブッシュ指揮でのクンドリーが有名なようです。1962年の録音では出ていないので知りませんでした。

マルシャリンも良いようですね。手元にはカラヤン指揮のヴァルキューレのブリュンヒルデがあるので、改めて聴いてみたいと思います。

投稿: pfaelzerwein | 2007年7月 7日 (土) 21:28

新聞の訃報欄で知り、また一人お気に入りの歌手が…と悲しい気持ちになりました。

カラヤンの解釈同様クレスパンのブリュンヒルデも、最初聴いたとき
ちょっと違和感を感じましたが、だんだんと好きになりました。
楽劇というよりまるでオラトリオのような、抑制の利いたカラヤンのリングに
あえてブリュンヒルデとして迎えられたことも今では理解できます。
とても艶のある声で、「夏の夜」のような叙情的な曲を歌うとピカいちですが
プーランクの諧謔的な歌曲なども、表現力が素晴らしいですね。

EMIのclassic archieveシリーズで出ているDVDをときどき観ています。
ベルリオーズ、ラヴェル、デュパルクなどお国ものは文句の付けようがありませんが
シューベルト、シューマンなどのドイツ物も見事で、本当に好きです。
かつてジェシー・ノーマンが尊敬する歌手と言っていたのも納得です。

投稿: ayame | 2007年7月 8日 (日) 01:55

pfaelzerweinさん

フランスのAFP通信の第1報でも、「1958年にバイロイト・フェスティバルでクンドリーを歌った」と書かれていますので、やはり一つの事件だったのでしょうね。
単に南の国からバイロイトに来た歌い手という意味では、ロス・アンヘレスがいましたけれど、クンドリーとなるとまたちょっと別なんでしょうし。

私もいまカラヤンの「ワルキューレ」探し出しました。今放送中の「N響アワー」が終わったら、聞いて彼女を追悼したいと思います。

投稿: TARO | 2007年7月 8日 (日) 21:27

ayameさん

本当に、私がこのブログを始めてからでも、何人の歌手の訃報を書いたことか・・・
ショルティの「ワルキューレ」で歌ってる歌手だけでも、クレスパン、キング、ニルソンと3人も!

EMIのDVDって、アマゾンで検索してみたら
タイトル:Arias
出演: Berlioz, Crespin
なんて出てしまって、「?」だったんですが、もちろんこれはコンサート・ライヴですよね?

>かつてジェシー・ノーマンが尊敬する歌手と言っていたのも納得です。

あ、なるほどねぇ。
昔ノーマンがデュトワの指揮でフォーレの「ペネロープ」を録音したときに、当時はノーマンがフランス物が得意だとは知らなかったので、あまりの見事さに驚いたんですが、クレスパンを尊敬していたと聞いて、とても納得しました。
レパートリーもかなりかぶってますし。

投稿: TARO | 2007年7月 8日 (日) 21:43

クレスパンのDVDですが、ベルリオーズはオーケストラとの共演で
コンサートの収録ですが、その他の歌曲はスタジオセットでの収録です。
ボーナストラックにデュヴァルとプーランクの共演が入っています。
(もともとこのボーナストラック目当てに購入したんですが…)
http://www.emiclassics.com/classic_archive/releases/regine_crespin.html

投稿: ayame | 2007年7月 8日 (日) 22:22

ayameさん

DVDの内容の紹介、ありがとうございます。
収録日もスタイルもばらばらなんですね。
DVD発売時点でEMIが集められた映像素材をてんこ盛りという感じですか。

HMVのサイトで夏の夜の一部が見れますが、こんな感じで歌う方だったんですか。やはり曲の雰囲気を表情でも表わしてるんでしょうね。エリーザベトやクンドリーだったら、こんな穏やかでやさしい表情にはならないでしょうから。

投稿: TARO | 2007年7月 9日 (月) 00:56

クレスパン聴いたのは80年代前半に「カルメル会修道女」で1回だけだったと思います。大姉御の迫力溢れる演唱だったという以上の記憶はなく、彼女の声で耳に残っているのは、やはりディドン以上にまずあのリリカルなブリュンヒルデとジークリンデの録音です。

さよなら・トゥーアーの末90年に引退表明した後も、復帰予告とキャンセルを繰り返し、揶揄されたりしていたけれど、ガンと闘っていたのだから、仕方なかったのかも知れません。91年にも尚バスティーユの「スペードの女王」に予告されていたけど、やはりキャンセルでしたね。

モンマルトルのふもとの下町の立派な住居で暮らしていたようだけど、リタ・ゴールはベルギーの小さな町の「クレスパン通り」に住んでたなんていう面白い話もありましたね。

投稿: 助六 | 2007年7月20日 (金) 07:22

助六さん

最盛期を過ぎてからといっても、やはり生で聴かれたことがあるというのは、とてもうらやましく思います。

>大姉御の迫力溢れる演唱

まあそもそもがド迫力でOKの役ですもんね。クレスパンも若い頃ならブランシュが似合ってたのかもしれませんが。
90年代はずっと闘病生活を送ってたんですか・・・。

>リタ・ゴールはベルギーの小さな町の「クレスパン通り」に住んでた

惜しい!クレスパンがゴール通りに住んでたら完璧だったのに。ただのゴール通りはないかもしれませんが、ド・ゴール通りがありますよね。

投稿: TARO | 2007年7月20日 (金) 15:29

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オペラ歌手クレスパン死去に関連してヴァーグナーの三部作「ニーベルンゲンの指輪」を聴く。フォン・カラヤンが、バイロイト音楽祭に対抗して行なった一連のザルツブルクでの公演初日を開けた第一夜「ヴァルキューレ」である。 第二夜の楽劇「ジークフリート」がこのプロジェクトの録音では最も好みでよく聴いていたが、これもベルリンの交響楽団の実力が発揮されていて、素晴らしく精緻な演奏をしている。休憩が無いことから前夜祭の楽劇「ラインの黄金」を取りやめして、バイロイトの深いピットでは指揮者が見えないと喧嘩別れしたこの指... [続きを読む]

受信: 2007年7月 8日 (日) 23:24

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