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2008年4月

2008年4月29日 (火)

中新田の火伏せの虎舞

200804291 宮城県北部の穀倉地帯は大崎平野と呼ばれて、ササニシキやコシヒカリの産地なんですが、ここに中新田(ナカニイダ)という町がありました。過去形なのは合併して今は加美町という名前になってしまったからなんですが。

この中新田という名前、80年代からのクラシック・ファンなら一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。「田んぼの中の音楽堂」として全国的に有名になった、バッハホールがある町です。今でこそ全国各地にクラシック専用のコンサートホールが出来ていますが、このバッハホールが出来た81年当時は多目的ホール全盛。20080429bachhalljp (サントリーホールが86年ですからそれよりも5年も早く、)大変に話題になったものです。
もっとも出来た当時は、本当に田んぼのど真ん中だったんですが、いまはすっかり回りは住宅地になってしまいました。

さてこの中新田で29日、恒例の初午祭りが行われ、今年も「火伏せの虎舞」(ひぶせのとらまい)が披露されました。

200804292jp この虎舞というのはちょうどお正月にやる獅子舞の虎版みたいなやつですが、なんと650年も前からこの地方に伝わる民族芸能です。このあたりは春には強風が吹くため火事が多かったようで、火伏せ・火除けの願いをこめて始まったそうです。県の重要無形文化財になっています。

屋根の上でやっている写真があるように、昔は家々の屋根の上を踊りながら飛び回っていたらしいです。でも今は危険なので、この写真に写っている屋根などでデモンストレーション的に行っています。中に入っているのは中学生。

屋根には滑り止め用の桟みたいなのが付けられていますが、それでもやはり危ないのであまり激しい動きとかは出来ません。

200804293jp というか650年前から伝わる芸能というと、2種類考えられるわけですが、
イ)650年の間洗練を重ねてきた
ロ)650年前の素朴さを残している
この場合は(ロ)になります。

なので長崎の蛇踊りみたいなのとは異なります。

音楽というかお囃子も素朴で(太鼓に笛の旋律が入る)、わりとぶっきらぼうな印象でした。まあ伝統的な民俗芸能にあまり複雑なリズムや綺麗な旋律がついてても変だとは思いますけども。

この屋根チームの他に路上で演じるチームもあって、こちらの方は屋根組よりは動きが激しく多彩で、獅子舞よりダイナミックかも。

200804294jp 幼稚園児も参加して、なんか可愛かったです。
町民総出じゃないかと思うような人出でしたが、屋根組の中学生が下の道路で見ている友人にVサインを出してたり、家族が○○ちゃ~んなんて声をかけたりして、重要無形文化財の披露というよりは運動会とか発表会のファミリアーなノリでした。

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2008年4月26日 (土)

ご覧のチャンネルは2011年7月で終了します

20080426akitajp 昨日25日のニュースなので、ご存知の方も多いことと思いますが。

総務省の情報通信審議会情報通信政策部会は25日、「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」の第37回を開催。この中で、全国地上デジタル放送推進協議会は、アナログ放送の視聴者に2011年7月24日の停波への注意喚起を図るため、アナログ放送の画面に「ご覧のチャンネルは2011年7月で終了します」などの告知スーパーを表示する計画を明らかにした。
AV Watch

現在のアナログ放送(地上波)は、3年後の2011年7月で終了する予定になっています。しかし現状では地デジの受信機(地デジ対応テレビ)は、普及が進んでいません。このままではアナログ停波の時点で、テレビを見られない人が多数出てくることが懸念されます。

ということで告知しようということになったんでしょうけれど、TV画面にいきなり「ご覧のチャンネルは2011年7月で終了します」なんて入るなんて、なんという不愉快&無粋&お節介。
さらに画面隅には「アナログ」の文字も入るとか。そうでなくても番組の中にスーパーが多すぎて画面がうるさいというのに、さらに「アナログ」なんて文字まで常時入ったら・・・

ドキュメンタリー・自然・教養番組などでは映像に凝ったものも多いですし、映画・音楽・舞台中継などの番組も、出来るだけ余計なスーパーなど無しで見たいと思うのが、普通の視聴者の気持ちでしょう。
逆にバラエティやスポーツ中継などのスーパーの多い番組では、スーパーが重なって読めなくなってしまうという弊害も考えられます。

もちろん私たち作り手側としても、番組と関係の無いスーパーに乱入されるのは、きわめて残念なことです。ニュース速報や地震情報などは、放送中の番組よりも重要度が高いことが多いですから、特別ですが。
(ことと次第によっては、番組のスーパー、番組のサイド・スーパー、アナログ表記、アナログ停波の告知、時報、ニュース速報、翻訳字幕と、7種類のスーパーが同時に画面に表記されるということも考えられます。決して冗談ではなく、かなり可能性があります。)

さらに来年7月からは一部の番組がレターボックス(上下に黒帯)の放送となり、その黒帯部分に停波告知のロールスーパーを流すそう。ウザい、、、、、、、

と怒ってたら、こんなニュースも飛び込んできました。

総務省情報通信審議会は2008年4月25日、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会第36回」を開催した。その中でDpa(社団法人デジタル放送推進協会)が2008年6月2日午前4時に運用開始を予定していたデジタル放送のコピーワンス緩和策(通称・ダビング10)が、予定通りにスタートすることが事実上不可能であることが分かった。
日経トレンディネット

詳しくはリンクした日経トレンディの記事をご覧いただきたいと思いますが、日立製作所の田胡修一委員によると「ダビング10の早期実現に向け努力してきたが、放送運用開始日が確定しないと受信機に実装できない。また、放送ダウンロードによって既存の機器をバージョンアップする場合でも計画が立たない。運用開始日を改めて早く決定してもらいたい」だそう。

おやおやです。
でも記事を読んでもどうして予定通り開始できないのか、よく判らないんですが…
私的録音・録画補償金の問題で、不要とするJEITAと、必要とするJASRAC等との間で、折り合いがついてないのが原因でしょうか?

以前から主張してる通り、単にB-CASの廃止とアナログ停波を中止するだけで、すべては解決。家電メーカー、パソコン(&パーツ)メーカーも新製品がどんどん売れて万々歳になると思うんですが。

写真:秋田市の千秋公園。29日まで桜祭りをやってるみたいです。

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2008年4月25日 (金)

拝啓デル様、いくらなんでもあんまりでは

20080425tsutsujigaokajp

私は microsoft が大嫌い。
ええ、もちろん糞だと思ってますとも。
でも、、、そんな私でもこれにはビビリました。

下のURLはDellのホームページ。
発見したのは(他のサイトに書いてあったんですが)二、三日前で、すぐに訂正されるだろうと思っていたら、今日見てもまだそのままとは。
http://accessories.apj.dell.com/sna/productdetail.aspx?c=jp&l=ja&s=pad&cs=jppad1&sku=A1473885

もし皆様がご覧になった段階で修正されていたら、ごめんなさいということで。

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2008年4月 8日 (火)

Windows Vista はやはり

20080408vistajp microsoft の黒歴史となるのでしょうか…

4月4日にマイアミで行われた投資家向けカンファレンスでの、ビル・ゲイツの発言が話題を呼んでいます。
内容は microsoft がVista の後継として現在開発中の新しいOS、Windows7(セヴン)が、「来年ごろ」に発表になるというもの。

このWindows7は、公式には2010年(以降)に発表されることになっています。ところが来年だとすると、1年以内もしくは以上の前倒しということになります。おまけにVistaのときもそうだったように、世間はどうせまた遅れるだろうと思っていましたから、それを考慮すると大方の予想より1年か1年半、あるいは2年前倒しということになります。

これはやはり私たちの想像以上に Vista が受け入れられていない、ゆえに早急に新しいOSを発売しなければならないということを意味するのでしょうか?

私はVistaを使っていないので、はたしてこのOSがどの程度XPより便利なのか、あるいは酷いのかについては判断できません。そもそもVistaが多くの自作マニアに拒否された理由で最も大きいのは、互換性の問題、つまり従来のドライバーやアプリケーションが正しく動作しないということ、およびアクティベーションの問題であり、必ずしもパフォーマンスの問題ではありませんでした。そして互換性の問題は解決されつつあります。
でも仮に問題が解決され、かつパフォーマンスの部分で優れていたとしても、来年新OSが発売になると知ったら、もはや誰もVistaは買わないでしょう。

あの商売人ビル・ゲイツがそんなことも考えずに軽々しく発言するとは(まして投資家向けの席上ですから)とても思えないので、やはりこれはVistaを葬って、Windows7に対する期待感を盛り上げようという作戦かと思われます。
といってもWindows7が、大方の人々が望んでいるであろう、「軽いOS」であるのかどうかは疑問ですが。

microsoftはまた、XP Homeの発売を、UMPC(Ultra Mobile PC)に限って延長させることも発表しています。
UMPCは日本なら富士通のLOOXあたり、あと工人舎とか台湾のアスーステックや韓国のサムスンなども発売して、人気を呼んでいる超小型のモバイルPCです。
またウルトラ・モバイルではありませんが、小型ノートPCとしては最近ではアスースのEeePCが世界的に品切れ続出の大人気。

このEeePCは199ドル~399ドルと非常に安いんですが、その秘密はOSがLinuxのXandrosであることが大きな理由となっています。
ところが日本で発売されたものだけは、Windows XPがインストールされています。これはLinuxPCの爆発的普及に危機感を抱いた microsoft が、せめて発売が遅れていた日本市場だけでもWindowsにさせようと圧力をかけたのではないかと目されています

帝国の崩壊は近いのかもしれません。

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2008年4月 7日 (月)

チャールトン・ヘストン死す

20080407hestonjp 昨日のニュースなので、ご存知の方がほとんどかと思いますが、俳優のチャールトン・ヘストンが亡くなりました。

【ロサンゼルス=飯田達人】映画「ベン・ハー」(1959年)、「猿の惑星」(68年)などで知られる米俳優、チャールトン・ヘストンさんが5日、カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去した。84歳。
 AP通信などが報じた。
 直接の死因は公表されていないが、2002年にアルツハイマー病の兆候があることを、自らビデオで告白していた。

 イリノイ州生まれ。1950年に映画デビューし、数多くの歴史大作に出演した。モーゼを演じた「十戒」(56年)で知名度を上げ、アカデミー賞で最多タイの11部門を受賞した「ベン・ハー」では、戦車競走シーンなどを熱演、自らも主演男優賞を獲得した。その後も「エル・シド」(61年)、「北京の55日」(63年)などに出演した。

 晩年は政治的発言も増え、98年から03年まで「全米ライフル協会(NRA)」の会長を務め、銃規制に反対する象徴的存在となった。
読売新聞

読売の記事に出ている作品のほかに、アカデミー作品賞受賞の「地上最大のショウ」、ワイラー監督の「大いなる西部」など、数々の名作に出演しました。晩年には「ボウリング・フォー・コロンバイン」で全米ライフル協会会長としてマイケル・ムーアの突撃インタビューを受け、話題になりました。

が、このブログ的には、むしろこれらの代表作より、次の2つの作品をおすすめしたいと思います。

一つはラルフ・ネルソン監督の「誇り高き戦場」(1967)。
アラン・シリトーの原作で、ここでチャールトン・へストンが演じるのは指揮者の役。いや、「十戒」のような精神的な意味での指揮者・指導者ということではなくて、オーケストラの指揮者です。

時代は第二次世界大戦中。場所はベルギー。米軍慰問のためにベルギーを訪れた世界的巨匠指揮者のチャールトン・へストン率いるオーケストラが捕虜となります。捕虜は全員銃殺の命令が下されていたのですが、オーケストラは捕虜といっても民間人。非戦闘員を殺したら重大な国際問題になると言い張って強行に抗議するヘストン。結局ヘストンとオーケストラの一行は、ルクセンブルグにあるドイツ軍の司令部に移送されます。

そこで待っていたのはドイツの将軍マキシミリアン・シェル。シェルは音楽を愛する男で、なんとかしてこの巨匠へストン指揮のオーケストラが聞きたいわけです。「ナチスのために演奏など出来ん」と拒否するヘストン。

なんだかんだの末に、結局最後は演奏することになるんですが、シェルはワグナーを希望し、ヘストンは無視して「椿姫」前奏曲をやったりという、なかなかな設定もあります。二人の間に徐々に相手を認め合う気持ちが生まれてきます。

ところが実は楽団員の中にアメリカ兵2人がまぎれこんでいたのでした。これがドイツ軍に知れると全員銃殺刑になりかねません。オーケストラはこの2人を脱出させることにします。
この脱出シーンが映画のクライマックスの一つで、たしかブラームスの1番の終楽章だったと記憶してるんですが、非常にうまく使われて緊張を高めています。
で、このあともいろいろありますが、それは実際に映画をご覧下さい。タイトルバックは「運命」の第1楽章。

ラルフ・ネルソンは「野のユリ」でシドニー・ポワチエに、「まごころを君に」でクリフ・ロバートソンにそれぞれアカデミー賞をとらせた、俳優の使い方のうまい職人監督。ここでもデリケートな演技はシェルに割り振り、演技のあまり上手くないヘストンには無骨で信念の人ともいうべき役作りをさせ、ヘストンをオーケストラの指揮者役にするという意表をついた配役をうまくさばいています。

もう一つはキャロル・リード監督の「華麗なる激情」(1964)。ミケランジェロとユリウス二世の話で、当然システィナの天井画製作の話がメイン。

DVDでも出ていますので、ストーリーは端折ります。
実際のミケランジェロがどういう人かは判りませんが、ここでヘストンが演じたミケランジェロ像は、彼のモーゼやベン・ハー、あるいは「誇り高き戦場」の指揮者役もそうですが、それらと同じくひたすら真直ぐな信念の人。
演技的にはユリウス2世役のレックス・ハリスンが、一癖も二癖もある法王役を絶妙に演じることで、二人の立場や人間像の違いがくっきりと印象づけられることになっています。


信念の人といえば、先月19日に俳優のポール・スコフィールドが亡くなりましたが、チャールトン・ヘストンもTVムーヴィーで「わが命つきるとも」を演っていたんですね(自らの監督・主演。1988)。ヘストン版は私は見ていないんですが、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジョン・ギールガッド、リチャード・ジョンソンらが出演してるので、興味深いですね。過去にNHKで放映されたそうなんですが。

ヘストンは全米ライフル協会会長という肩書き(1998-2003)とムーアの映画から、最近ではガチガチのタカ派とだけ思われがちですが、実はちょっと違います。

もともと彼はケネディ大統領を支持し、1963年にはマーティン・ルーサー・キング牧師らによる人種差別に反対するワシントン大行進にも参加している、リベラル派の俳優だったのです(このときの大行進に参加した有名俳優には、他にマーロン・ブランドとハリー・ベラフォンテがいる)。60年代におけるハリウッドスターによるこの種の意見の表明が、いかに勇気のいることであったかは想像できると思います。実は「信念の人」というのは映画の中の役柄だけでなく、ヘストン自らを形容する言葉でもあるかと思います。

おそらく1970年代に、ヘストンは民主党支持のリベラルから、共和党支持へとかわります。また銃規制の支持者から、正反対の転換もします。これにはヘストンが支持していたケネディ大統領やキング牧師が、まさに銃によって暗殺されたことが関係しているのではないかと見る人もいます。

この後ヘストンは白人至上主義的考えも強めていき、共和党保守派の牙城とも言うべき全米ライフル協会のアイドルとなって会長に就任、リーダーシップを発揮していきます。善し悪しは別として、ここでもまた信念を貫く人と言えるかもしれません。

晩年の政治的立場はともかく、俳優としては1950-70年代のハリウッドを代表する一人でした。ご冥福をお祈りいたします。

      

前に森進一の「おふくろさん」について書きましたが、その作詞家の川内康範氏も亡くなりました。88歳でした。

当然、川内康範はテレビ局が特集を組んでもおかしくない大物作詞家なわけですが、仮にあったとしていったいその特集番組には誰をよぶのでしょう。もう一人の川内ワールドの偉大なインタープリターである青江三奈も、レコード大賞受賞の「誰よりも君を愛す」の松尾和子も、すでにこの世になく・・・

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