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2012年3月15日 (木)

閉塞感という名の幻想・4

20120315 年金に関してはリセット(清算)するということになっています。
一般の企業の場合、会社をたたむときには「倒産(破産)」によって清算することになるケースと、単純な「解散」などにより債務を完全に支払った上で財産を清算するケースがあります。

倒産の場合は、ご承知のように倒産した人の債務はなくなり、債権者はまるまる損するか、わずかに残されたもの(現預金を含む)を按分して受け取ることになります。つまりまあ、よほど奇妙なケースでなければ大損することになります。

私も倒産に巻き込まれて損したことがあります。
私の高校時代の友人が、大阪で会社を経営していて10年ほど前に破産しました。私もその友人に少しお金を貸していて結局かえってこなかったのですが、その人は消費者金融に運営資金を借りたところ、やがてそれが次第に膨らんでいって、にっちもさっちも行かなくなったようなのです。運転資金に不足してサラ金から金を借りたきっかけというのが、『大阪市役所の仕事を請け負ったら、完了したにもかかわらず難癖をつけられて支払いを拒否された』というものだったので(あくまでも本人の弁、ウラは取ってません)、私は大阪市に対して非常に恨みがあったのですが、いまやそんな感情を遥かに上回る危険人物が現れてしまいました。私のちっぽけな貸金どころの話じゃありません。

と個人的な話はともかく、そんなわけで「リセット(清算)」というかぎりは、年金も清算するのだろうと考えたくなります。清算の対象は3つに分かれると思います。

(A)年金受給者で、払込金額の合計より多く受給してる人
(B)年金受給者で、払込金額の合計が支給額の合計を上回ってる人
(C)まだ受給していない人

Aの人は分配額0になるでしょう。Bの人は払込額の総額と受給額の総額の差が分配額。Cの人は払込金額の総額が分配額。

一般の企業であるならばこれに利息が付く可能性があります。また物価水準を考えれば、たとえば昭和30年代に1000円納付するということは、現在の1000円とはまるで価値が違います。したがってそこまで是正して清算額を決めることもありうるかもしれませんが、年金の場合は世代間格差をなくすというのも目的の一つなので、まあ無理でしょう。

で、ここからは私の想像、あくまでも想像ですが、維新は単に「清算」としか書いてませんが、たぶん全国民に対して分配額0にすると思います。つまりBもCも払い損ということにすると思います。もちろん真面目に年金を払って損するとは何事だという抗議は上がるでしょう。それに対する橋下氏の返答は、
「年金は破綻したんですよ。つまり破産したのと同じです。あなた方は債権者ですが、債務者に財産はありません。あるいは倒産した会社の株券を持っているようなものです。ただの紙切れですから1円にもなりません。お金が返ってこないのは当然なんです」
となることが予想されます。

年金問題の解決は難しく、野田政権はご存知のようにとりあえず消費税増税で当面を乗り切ろうと考えています。私は消費税の増税は著しく消費活動に対する意欲を下げて、逆効果だと思うので反対ですが、それでも橋下方式よりは100倍マシでしょう。

「年金の清算は可能か」というのは政治塾の議題になってるので、議論の進展が興味深いですね。

20120315japan_pension_service_headq リセットして新たにはじめる年金というのは、積立方式で保険料は強制徴収、掛け捨て方式と考えているようです。すでに新聞等で報道されていますから、ご存じの方も多いかと思いますが、産経の記事を引用しましょう。

維新は最低生活保障の額として月額6万~7万円を想定。 就労が難しい高齢者らへのセーフティーネットとして、これに加えて現役時代に自ら納めた保険料 を受け取る年金の積み立て方式を取り入れ、さらに資産家にはこの年金を支給しない掛け捨て制度 の導入も想定している。

「掛け捨てでは保険料を支払わなくなる」との批判に対しては、国税庁と日本年金機構を統合して税と社会保険の徴収を一本化する「歳入庁」を創設し、強制徴収とすることで対応すると説明。

(産経ニュース)

ちょっとこの解説だけでは分らないのですが、おそらく現在と同じく、非課税の低所得者も含めた国民皆保険制度を目指してるんだろうと思います。
現行と違うのは
1)現在のような物価スライド方式ではなく、自分が納めた額以上はもらえない。つまり積立預金を毎月少しずつ取り崩すのと同じ。
2)高額所得者はたとえ積み立てても支給されない。
の2点です。

ところで税金と一本化すれば強制徴収なんて可能なのでしょうか?維新は国民全員が確定申告というのを考えてるようなんですが。――実は可能です。
八策のレジュメでは、

「国民総背番号制の導入」

が謳われていて、それによって帳簿上は取り忘れとか、申告逃れということはなくなりそうです。それにしてもこれまで政党も行政も「国民総背番号制」という言葉は嫌って、極力使わないようにしてたと思いますが、この言葉を堂々と押し出すセンスって、どうなっちゃってるんでしょうか。

税金を確定申告する必要がない場合、あるいは税額ゼロの場合の徴収が必要になりますが、その場合、実際の業務は民間に委託されると思います。今現在、既に年金の未収分の徴収は日立キャピタル債権回収に委託されています。橋下氏は弁護士時代にサラ金と商工ローンに強いつながりがありますから、そちらが使われるかも知れません。

低所得者に関しては、ベーシックインカムの最低所得保障という考え方から行けば保険料の徴収はなく、減免制度が残されると考えたいところですが、維新は何考えてるか分らないので、月7万の中から天引きというのもありえます。これが一番効果的で効率的かもしれません。さすがに国の保険料を暴力団系ブラック金融会社とかが請け負ったら外聞が悪いですもんね。

就労に基づく収入、就労支援事業の支給金などは、最低生活保障に「加算」⇒努力を評価する仕組み。

昨日も書きましたが、本当にこの人達は何様なんでしょうか?努力を評価する仕組みって、あんたたちに評価なんかされたくないんだけど。とにかく言葉遣いが傲慢。自分たちで気づかないんでしょうか?

この「維新八策」は13日のコメント欄でpfaelzerweinさんによって指摘されているように、つぎはぎでアンチイデオロギーの政策となっています。これは逆に見ればブロガーにとってはネタの宝庫とも言えるわけで、題材になる項目は山ほどあるのですが、でもさすがに少し疲れてきました。明日だけ書いて、あとはいつもの話題に戻り、来週あたり今度は橋下氏の文化政策について考えてみたいと思っています。
(続く)

※二枚目の写真は日本年金機構。Wikipediaより。

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コメント

ぞっっっっっっっっっっっっっ〜〜〜〜 もうことばもありません・・です。
明日はどんな怖〜〜〜い計画を読むことになるのでしょう・・おお、コワ!!

で、メディア、マスコミ、ジャーナリストたちは、今のところ、どうなんでしょうか??? 静観?
あんまりなのであり得ないと思ってるとか? それとも持ち上げ中?

投稿: edc | 2012年3月16日 (金) 17:49

euridiceさん

怖いでしょう?もう私も書いてて背筋が…
ベーシックインカムなんて世界中のどこにも成功した例がないのに、日本でだけ成功すると考えたとすれば、なぜ日本でだけ可能なのかの根拠があるべきですが、そんなことはまるで示されないし、BIという言葉に酔ってるとしか思えないのです。

メディアは新聞は静観ですね。おそらく正式発表を待ってるんじゃないかと思います。週刊誌は書くかも知れませんね。ツイッターで橋下市長に「バカ文春!バカ新潮!」と罵られた、文春と新潮の来週発売のものを待ちましょう。テレビは判りません。実はこの人の顔が出てくると不愉快になって血圧が上がりそうなので、すぐ消すかチャンネルを変えてるので見てないんです。でもテレビで批判的な報道がなされたらネットの記事になると思うんで、それがないところを見るときっとテレビも正式発表待ちじゃないかと思います。今色々批判しても絶対手を打ってきますからね。

投稿: TARO | 2012年3月16日 (金) 20:08

読んでいると頭が混乱してきますが、キケンキケン・・;ということだけはわかります(^^;
最近Twitterのアカウントを取ったんですが、いの一番に「フォローしろ」(←もちろん、もっと穏やかな言い方ですが)と、しゃしゃり出てきたのが、こいつのアカウントで、背筋がゾ~~~~~~っとしましたshock
ちょうどこちらを読ませている最中でしたし、消しても消しても湧いて出てくるので、情報操作???プロバカンタ???と勘繰りたくなりますーー;

投稿: ヴァランシエンヌ | 2012年3月18日 (日) 18:01

ヴェランシエンヌさん

私も書いててすごく頭が混乱してきます。ありえない組み合わせの政策が、整合性もなく混じってるので、どう考えていいのか判らなくなるんですよね。
経済政策に関しては基本的には大前研一氏や彼につながる人達の思想に基づいてるのかもしれませんが、そこに橋本市長の個人的な主張やら何やらを、無秩序に入れ込んだので不可解なものになってるんだと思います。

>しゃしゃり出てきたのが、こいつのアカウント

マジですか!?そんなことになってるんだ…
この人の人気って、どうしても細木数子とか野村沙知代とかを思い出すんです。
たとえ言ってることが変でも、上から目線の強い態度で言い切る人って、なぜか視聴率取れるんですよね。

投稿: TARO | 2012年3月18日 (日) 22:35

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