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2012年4月 6日 (金)

大フィルへの大阪市の助成金問題

20120406osaka_philharmonic_kaikan 大阪フィルに対する大阪市の助成金問題ですが、昨日発表された改革プロジェクトチームの「施策・事業の見直し」試案によれば、今年度から25%カットするということになったようです。文楽協会への助成金も同じく25%のカットということになりました。

※画像は大阪フィルハーモニー会館。Wikipediaから。

新聞記事はすぐにWeb上から消えてしまうので、備忘のために音楽と関係ない部分もコピペしておきます。

大阪市の橋下徹市長が発足させた改革プロジェクトチームは5日、住民サービスを中心に104事業を見直し、今年度から3年間で総額548億円をカットする「施策・事業の見直し」試案を発表した。
 70歳以上の市民が市営地下鉄・バスを無料利用できる「敬老優待乗車証」(敬老パス)制度を見直したほか、高齢世帯などへの上下水道基本料金減免(年約40億円)の廃止、新婚世帯への家賃補助(年約48億円)の新規募集停止などを盛り込んだ。海外事務所3か所の廃止など大阪府との重複事業を整理し、市内全24区にある温水プールやスポーツセンターなどは9か所に集約する。
 21万世帯を対象とする上下水道基本料金1576円の減免は、試案では2013年度から廃止。最長6年の新婚世帯への家賃補助は今年度から新規募集を打ち切る。
 大阪フィルハーモニー協会と、文楽協会への助成金は12年度から25%カットする。

(読売新聞)

公明党と選挙協力して以来、橋下氏の文化攻撃はかなり舌鋒が鈍ってきたように思いますが、25%カットという妥協案(?)もその一環でしょうか。とりあえず大フィルも文楽協会も、しばらくはなんとか活動を続けて、嵐をやり過ごすしか無いでしょう。

新聞はこれだけなのですが、大阪フィルのHPにもう少し詳しいことが載ってました。

本日発表の「試案」の中身は大阪市のホームページでも公表されておりますが、大フィルへの補助金につきましては、
 ・助成金を25%削減
 ・執行にあたっては、設立されるアーツカウンシルの意向を最大限踏まえる。
 ・アーツカウンシルの本格稼動前の平成24年度については、府の外部委員による評価を踏まえ、芸術文化の支援策を本格予算までにまとめる。
との内容であります。

とのこと。しかし今までが1億1000万円ですから2750万円減らされるということでしょうね。これではギャラの高い客演指揮者やソリストなんかますます呼べなくなりますね。来年2月にセーゲルスタムが振るみたいですが、自作の交響曲第248番(!)を振らせてもらえるので、ギャラ少しおまけしたんでしょうか?

一方、大阪市が公務員として抱えている吹奏楽団の「大阪市音楽団」ですが、今年初めに廃止の意向を表明して以来、団員の処遇が注目されてきました。通常の場合、組織が解散となったら公務員は別の部署に配置転換になるわけですが――

大阪市の橋下徹市長は5日、市が同日発表した施策・事業の見直し試案で「2013年度に廃止」とされた市音楽団の音楽士36人の処遇について「単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ」と述べた。
 市改革プロジェクトチームの試案では、音楽団を「行政としては不要」としつつ、市が正職員として採用してきたことから、「配置転換先を検討」としていたが、橋下市長は「分限(免職)になる前に自分たちでお客さんを探し、メシを食っていけばいい」と述べ、配置転換を認めない意向を示した。
 市音楽団は1923年に発足。国内唯一の自治体直営の吹奏楽団で、市公式行事での演奏や有料公演などを行っている。市は公演収入などを差し引いた運営経費や人件費として年約4億3000万円(2010年度)を負担している。

(読売新聞)

吹奏については無知なので、大阪市音楽団についても私はよく知らないのですが、東京佼成やシエナと並ぶ日本有数の吹奏楽団という話です。大阪市の公務員とはいっても、クラブ活動じゃないので、当然音楽大学を出た優秀な奏者を雇っているわけです。

Wikipediaによれば、その前身は大正12年に誕生した大日本帝国陸軍第4師団軍楽隊で、日本で最も古い伝統を持つ吹奏楽団なのだそうです。2003年から秋山さんが芸術監督、2007年から小松一彦さんが首席客演指揮者に就任してるようです。

それにしても公務員をこういう形で免職にするというのは、法律的に可能なんでしょうか?

ところで・・・橋下氏といえばろくに仕事もしないでツイッターばかりしてるような印象ですが、大丈夫なんでしょうか?なんだか完全にイッちゃってるみたいなんですけど…

そういう民意をバカにする連中は北朝鮮に行け!偉そうに民意をバカにする輩ほど北朝鮮では獄中行きだ!僕は危うくても、移ろいやすくても、不安定でも、不合理でも選挙で示された民意をとことん大切にする。そして民意がより良くなるよう国全体で国民のレベルを上げるよう努力する。それが民主政だ。
2012年4月6日 - 11:39

北朝鮮に行けというのは以前も書いてたけど、好きなフレーズみたいです。
論理も何もないので解読に苦労しますが、彼の頭の中では《民意=選挙の結果=自分の言うことを100%認めろ》という図式になってるので、何か橋下批判の勢力やメディア――と言っても週刊誌と一部の新聞ぐらいしか無いわけですが――に不愉快なことを書かれて、逆上したのでしょうか。「民意を口にする政治家ほど危険」というような発言は、橋下氏がらみでしばしば見かけるので、心に憎しみがたまり抑えきれなくなったのかもしれません。

日本は思想・言論の自由があるので、民意をバカにしようが何しようが、日本から出ていく必要はありません。逆に「北朝鮮に行け!」などという発言は、憲法への挑戦であるとみなせます。他の政治家がこんな発言をしたら大問題なのに、この人の場合だけ許されるというのも不愉快の極みです。まったく。

「偉そうに民意をバカにする輩ほど北朝鮮では獄中行きだ!」という発言も唖然。これどういう意味なのでしょう?この文章を素直に読むと(素直にしか読めないと思うのですが)、北朝鮮で獄中につながれてる政治犯は、民意をバカにした人達だということになります。ん??こんな珍説、生まれて初めて聞きました。

>選挙で示された民意をとことん大切にする

具体的に何に怒ってるのか見えないのですが、いつもの彼の論だと《民意=自分》なので、――なにしろ選挙で当選した人は白紙委任と同じだそうですから――自分をとことん大切にしろと主張してるんでしょうか?

たぶんそうなのです。

それだと「偉そうに民意をバカにする輩ほど北朝鮮では獄中行きだ!」という発言も納得できます。
民意=自分=独裁者という式が成り立つので、
「偉そうに独裁者をバカにする輩ほど北朝鮮では獄中行きだ!」と読み替えができるからです。それならたしかに北朝鮮では投獄されることでしょう。

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コメント

「アーツカウンシル」の中身が問題です。日本政府の官僚が選んだような第三者組織では結局為政者の思いのままですから。言っては何ですが、文化庁関連のこうした文化的な判断でもそれほど優れた見識が示されていないのに、大阪如きでまともな判断が出来る筈がありません。

吹奏楽こそまさしく独裁者が必要とするラッパ吹きで、音楽の重要な歴史の碑です。軍楽隊は綺麗に音を合わすことで初めて大きな音が出せて、敵を怯ますことが出来るのです。その点から秋山さんなどは世界一の指導者でしょう。自衛隊に負けないように大阪が育てなければいけません。しかし、経済的自立の面では特徴がないと難しいですね。

大フィルの「将来の自立」を考えろと補助金を減らしても、大管弦楽団の処置は世界中での問題であり、例えばドイツ以上にその社会歴史的価値を見出せる筈がなく、自立的と市場経済で考えて  ― 給料は全然違いますが― ベルリンのフィルハーモニカーの市場価値のようなものを大フィルが団体として獲得するには新しい市場を開くしかないでしょう。そのような市場など一体ありえるのか???まさしくそこの疑問に文化行政が応えるわけですから、経済の問題であって市場の問題ではないのです。

言い方を変えれば、行政が一から資本投資してもものにならないものは幾らでもあるわけで、まだ大フィルはマシな方だと思いますね。

投稿: pfaelzerwein | 2012年4月21日 (土) 03:41

pfaelzerweinさん

全く同感です。おっしゃるように為政者の思いのまま、とても大阪でちゃんとした組織が出来るとは思えません。
どうも橋下市長はビッグネームをまわりにはべらせることが好きみたいですが、大阪アーツカウンシルが出来たとしたら、まさにその顔ぶれこそ見ものだと思います。
昔私はイギリスにはアーツ・カウンシルという組織があって、しかも日本の政治家と違って「金は出すけども口は出さないんだ」と教えらました。大阪は多分「金はしぶしぶしか出さないくせに、口は出しまくる」になることでしょう。おそらくここでも競争原理とやらがまず優先されるのではないかと、私は予想しています。

大阪市音楽団は私も今回の件で初めて知ったのですが、大阪の中学校・高校で指導することなども、職務なのだそうですね。そのせいか大阪の吹奏楽のレベルは全国でもトップクラスなのだそうですが、今後どうなるものやら。自立といっても日本で一番有名な東京佼成ウインドオーケストラですら、立正佼成会がバックに付いてるから成り立ってるんでしょうし…

>自立的と市場経済で考えて  ― 給料は全然違いますが― ベルリンのフィルハーモニカーの市場価値のようなものを大フィルが団体として獲得するには新しい市場を開くしかないでしょう。そのような市場など一体ありえるのか???まさしくそこの疑問に文化行政が応えるわけですから、経済の問題であって市場の問題ではないのです。

あっ、なるほど。そういう捉え方をするといろいろ見えてきますね。でも行政はたぶん何も考えてなんかいないんですよね…。

もっとも考える役目の人も、どんなに一生懸命考えても市長の意向次第で全部白紙になっちゃったりするので、やりがいもないだろうと思うんですが。(ところが橋本市長はある調査で新入社員が選ぶ「理想の上司」第1位に選ばれたんだそうです。1位といっても466票中32票なので大したこと無いんですが、それでも信じられない…)

投稿: TARO | 2012年4月21日 (土) 14:24

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