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2012年6月

2012年6月 9日 (土)

東北南部も梅雨入り

20120609 気象庁は9日、東北南部が梅雨入りしたとみられると発表した。平年より3日、昨年より12日早い。 
(時事通信)

今日梅雨入りが発表されたのは、福島・宮城・山形の3県。
でも平年よりわずか3日ですか。去年が遅かったせいか、なんかすごい早い感じが。

最近、仙台市郊外の住宅地に熊が出没して話題になっています。仙台市と言っても、広くて東は太平洋から西は山形との県境まで全部仙台市なので、山間部で熊が出るのは全然珍しいことではないんですが、今しばしば熊が目撃されてるのは折立(おりたて)といって比較的中心部に近い地域。幸い被害は出てないんですが、警察などが警戒を強めてるようです。やはり山に餌がないんでしょうかねえ・・・

一昨日のニュースでしたが、レイ・ブラッドベリが亡くなったんですね。91歳。
最初に読んだのは「華氏451度」だったと思います。もっとも原作読む前にトリュフォーの映画を見てしまったんですが。
ご冥福をお祈りいたします。

さきほど入ったニュース。
テニスの全仏オープンはシャラポワが初優勝。生涯グランドスラムを達成しました。大会後の世界ランキングで4年ぶりに1位に復帰するそうです。

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2012年6月 8日 (金)

フィッシャー=ディースカウの名盤(5)絶唱 & 珍しいレパートリー

20120608_dfd FDの名盤、最後はその他の作品。まずフィッシャー=ディースカウの長いオペラ歌手としてのキャリアの中でも、最後期の絶唱とでも形容すべき歌をとりあげたいと思います。

ライマンの歌劇「リア王」

1978年にミュンヘンで初演されたアリベルト・ライマンの新作歌劇「リア王」は、グラモフォンによってライヴ・レコーディングされましたので、現代オペラの中では例外的に多くの人に聞かれてるのではないかと思います。(30年以上前の作品を現代オペラと言ってよいかどうかはともかく。)

この作品の成功はもちろんフィッシャー=ディースカウあってのものですが、そもそも彼は作品の企画段階からかかわっていたようで、CDのライナーによれば自ら作曲者にシェイクスピアの「リア王」オペラ化を提案したようです。当然リアの役はフィッシャー=ディースカウを前提に書かれました。

ライマンの曲をフィッシャー=ディースカウは高く評価してるようで、コンサートで歌曲も取り上げていますし、バリトンと合唱のための「ヌンク・ディミティス」やバリトンと弦楽四重奏のための「秘めたる思い」なども歌っています。
またライマンはフィッシャー=ディースカウの歌曲リサイタルのピアノ伴奏者としても有名で、CDもいくつか出ています。もっともハルトムート・ヘルとやるときは、シューベルト、シューマン、ヴォルフなど王道のレパートリーが多かったのに対して、ライマンを伴奏者に選ぶときは、20世紀作品や、19世紀作品でもニーチェ作曲の歌曲のCDだの、デーメルの詩による歌曲の夕べだのと、かなり凝った曲目になることが多かったようです。

そんな相性の良かったと思えるライマン作品で、しかもあの超人的な声楽的能力の持ち主なのに、それでもこのオペラはかなりの難物だったようです。
「私は仰天した。初めの初めからアカペラだったからである」「響の土台に四分音を始終奏でているオーケストラの前に出るのが、怖かった」などと、ディースカウは語っています。

しかし努力のかいあって、なのかどうか判りませんが、実際にCDで聞ける音楽はオケ部分も含めて実に面白く、素晴らしい作品に仕上がっています(これはFDと共に3人の姉妹を歌うデルネッシュ、コレット・ロランド、ヴァラディの名唱も寄与してるのですが)。全編聞きものですが、中でもオペラのラスト。10分に及ぶリアの独白(中間部に若干他の人物の声が入りますが)での、なにもかもが暗黒の虚無の中に沈み込んでいくような音楽は、いやおうなく深い感動を呼びます。

プフィッツナーの歌劇「パレストリーナ」

プフィッツナーのこのオペラは私は舞台でも映像でも見たことがありません。日本はもちろんドイツ語圏以外で上演されることはかなりまれなのではないかと思いますが、ドイツ・オーストリアではしばしば取り上げられてるようです。最近だと90年代にベルリン・ドイツ・オペラでテーィーレマンが振った上演は話題になりましたし、99年にウィーン国立歌劇場でペーター・シュナイダー指揮、トマス・モザーやユリアーネ・バンゼの出演で出された舞台も評判になりました。3年ほど前にバイエルン国立歌劇場がシモーネ・ヤング指揮で上演した舞台はDVDになっているようです。私はこのオペラの音楽は非常に美しいと思うのですが、どうして独墺圏でしかやられないのか、不思議です。色恋沙汰がないからでしょうか?

フィッシャー=ディースカウが出演しているのは、クーベリック指揮のDG盤。主役のパレストリーナはテノールの役でニコライ・ゲッダが歌い、フィッシャー=ディースカウは脇役にまわっています。
ところがこの脇役というか準主役というか、彼が演じているボロメオ枢機卿というのが実に微妙な役で、いまここでストーリーを詳述するわけにはいかないので(そのうち『オペラのあらすじ』ででも)ちゃんと書けませんが、フィッシャー=ディースカウの絶妙な歌唱を必要とする役なのです。1幕の長大なモノローグは表現力全開です。

サヴァリッシュ&ベルリン・フィル・ゾリステンとのフォーレ、プーランク、ラヴェル

おしまいにFDとしては珍しいレパートリーを。1975年9月にフィッシャー=ディースカウはベルリン・フィル・ゾリステン及びピアニストとして加わったサヴァリッシュとともに、フランスものを集めた演奏会を開きました。
曲目はフォーレの「優しい歌」の室内楽伴奏版、プーランクの「仮面舞踏会」、ラヴェルの「マダガスカルの歌」。このコンサートはNHK-FMでもライヴが放送されましたが、さらにその成功を受けてレコード録音も行われました。フィッシャー=ディースカウの数少ないフレンチ・レパートリーを代表する1枚になっています。でもけしからんことに今は廃盤みたいです。

「優しい歌」は私はこの時のFM放送ではじめて室内楽版があることを知りました。いまは室内楽版もフランソワ・ル・ルーによる、いわば本場物のCDがありますがずいぶん長いこと、求められるものはこのFD盤だけでした。まあこれがフォーレとして「名盤」かどうかというと疑問はあって、ル・ルーが本筋でしょうけれど、でもこれはこれで魅力がないわけではありません。

ラヴェルの「マダガスカルの歌」は名演ではないかと思います。本人も得意のレパートリーなのかも知れません。この録音の他にグラモフォンにもフランスものの録音があって、そこでも歌っています(私はこっちは聞いたことがありません)。ちなみにこのDGの「マダガスカルの歌」には、フィッシャー=ディースカウの最初の奥さんであるチェロ奏者のイルムガルト・ポッペンが共演しています。(おしまい)

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2012年6月 5日 (火)

フィッシャー=ディースカウの名盤(4)モーツァルト、ワグナー、R・シュトラウスの名盤(後)

20120601_dfd フィッシャー=ディースカウにとってワグナーは重要な役だったのでしょうか?もちろんドイツ人のオペラ歌手だからといって、皆ワグナーを大事にしてるというものでもないとは思いますが、FDの場合どうもよく判りません。バリトンが歌うほとんどの役をメジャー・レーベルで録音してる歌手なんてなかなかいませんし(バス・バリトンは何人かいそうです。テオ・アダムとか)、プライなどよりは遥かにワーグナーへの親和性も高そうです。でもなんとなく、自身にとって重要なレパートリーとは考えてなかったような気がするんですよね。

たぶん「この役にかける!」みたいなところがないからだと思うんですけども。例えば上に挙げたテオ・アダムだったら、バス/バス・バリトンの重要な役はほとんど歌ってますが――アルベリヒまで――それでもやはり「ウォータンとザックスにかける!」、みたいな部分があると思うのです。フィッシャー=ディースカウの場合、ウォータンでもグンターでも同じようにハイレベルの歌唱で、良く言えばどんな役でも手抜きをしないとは言えるんですが、でもなにか熱く盛り上がらない感じもついて回って…

とはいえその歌唱が誰と比べても常に最上級のものであることは言うまでもありません。(フィッシャー=ディースカウの主要なワグナー録音の中では、私はフリッチャイ指揮の「さまよえるオランダ人」とケンペ指揮の「ローエングリン」は聞いてませんが。)
前にとりあげたフルトヴェングラーの「トリスタン」を別格とすると、中でもやっぱり凄い…と思わざるをえないのは、ショルティ盤「パルシファル」のアンフォルタスでしょうか。この役こそフィッシャー=ディースカウの歌唱力を待ってたのだという気がします。
今はカラヤン盤の影に隠れた感じになってますが、このショルティ盤は名盤です。何と言っても――といってフィッシャー=ディースカウじゃない人の名前が出るというのも、どうかとは思いますが――ルードウィヒのクンドリーが凄いのです。またグルネマンツのゴットロープ・フリックも当時は意外なキャスティングのように思いましたが、素晴らしい歌唱。他のキャストも完璧に揃ってます。おまけに端役に過ぎない花の乙女にわざわざポップとキリを招いているのです。

キャリアの後期にはフィッシャー=ディースカウはワーグナーはほとんど「ニュルンベルクのマイスタージンガー」のハンス・ザックス一本に絞ってたんじゃないでしょうか。ヨッフム指揮のスタジオ録音がDGにありますが、もし入手可能ならサヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場の79年ライヴはオールスターキャストで素晴らしいです。夫妻共演です。

ウォータンは「ラインの黄金」がカラヤン指揮で全曲録音されてますが、残念ながら「ワルキューレ」はありません。でも『ウォータンの告別』だけならクーベリック指揮のアリア集で聞くことが出来ます。アナログ時代には好きでしょっちゅう聞いてました。調べたら今は廃盤みたいです。

R・シュトラウスも勿論、フィッシャー=ディースカウの歌を待っていたと言えるでしょう。代表盤にはカイルベルト指揮の「アラベラ」と「影のない女」、ベーム指揮の「サロメ」「カプリッチョ」、映像版の「エレクトラ」などがあります(「エレクトラ」には同じベーム指揮のCDもありますが、私は聞いたことがありません)。

どれも最高ですが、中でも「アラベラ」はタイトル・ロールが理想的なアラベラ歌いと言われたリーザ・デラ=カーザなこともあって、今もってこの曲の決定盤となっています。またユリア・ヴァラディ夫人と共演したサヴァリッシュ指揮のもオルフェオから出ています。このCDは私は聞いてません。同時期に同じスタッフ・キャストで上演された時のライヴが昔NHK-FMで放送され、そちらをエアチェックしてしまったので。それに準ずる録音だったとしたら、素晴らしい演奏です。アラベラはどちらもヴァラディ、ツデンカはCDはドナート、FMの方はマティスが歌っています。

「カプリッチョ」は伯爵を歌ってるベーム指揮のDG盤の他に、サヴァリッシュ指揮のEMI盤もあってこちらでは詩人オリヴィエを歌っています。このEMI盤は私は聞いてないんですが、こちらを高く評価する人も多いようです。

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2012年6月 1日 (金)

フィッシャー=ディースカウの名盤(4)モーツァルト、ワグナー、R・シュトラウスの名盤(前)

20120601_dfd_2 モーツァルトは勿論、フィッシャー=ディースカウの得意分野でした。特に「フィガロの結婚」の伯爵役は十八番で、シュワルツコップと共演したライヴとかも出てますし、映像も含めるといったい何種になるものやら。特にベーム指揮のDG盤は誰もが認める永遠の名盤となっています。他のキャストも完璧で実によくキャラクターを表しており、これに慣れるとこのベーム盤以降に現れた全曲録音はいずれもなにか薄味に感じてしまいます。
ケルビーノのトロヤノスに違和感を覚える人もいるようですが、ちょうどこの録音が行われた時期はルードウィヒは既にレパートリーからケルビーノを外し、ファスベンダーとフォン・シュターデは国際的に有名になる前ということで、他にいなかったのだからしょうがありません。後に「ティト」の録音に参加するベルガンサは、この段階ではベーム・ファミリーではなかったですし。

この夢のベーム・ファミリーを「コジ・ファン・トゥッテ」で実現したのが(少し入れ替えがありますが)73年のザルツブルグ音楽祭での上演で、ヤノヴィッツ、ファスベンダー、グリスト、シュライアー、プライというキャストで、フィッシャー=ディースカウはドン・アルフォンソを歌いました。ただ残念なことにこの「コジ」のドイツ・グラモフォンによるライヴ録音は、2年目の上演がライヴ録音され、他のキャストは一緒なのにアルフォンソだけがフィッシャー=ディースカウからパネライに代わっています。もっとも初年度のライヴもNHKから放送はされていますので、秘蔵のテープ化してる人は多いかと思われます。

「ドン・ジョヴァンニ」と「魔笛」もベームの指揮でDGに有名な録音があります。このうち「魔笛」のパパゲーノはあまりにも知的すぎるということで、よく批判の対象になったりもします。フィッシャー=ディースカウは舞台ではこの役を歌わなかったそうですが、この歌唱を高く評価する人も少なくありません。で、実は私もここでのフィッシャー=ディースカウの歌はかなり好きです。ヒット曲揃いのこのオペラの中でも最も美しいページであるパパゲーノとパミーナの二重唱など、パパゲーノのキャラクターを考慮しなければ、やはりフィッシャー=ディースカウの歌にはゾクゾクさせるものがあります。
このベームの録音もショルティ指揮の「魔笛」が発売されるまでは、決定盤扱いされていました。ショルティ盤はプライのパパゲーノとドイテコムの夜の女王という二人の超弩級がいるので、いまだにこれを「魔笛」のベストに上げる人がいますが、私はちょっと疑問です。プライのパパゲーノは二度とこれを超える人はいないと思わせるほどに最高ですが、プライ&ドイテコム以外のキャストはベストというわけではないし、オーケストラ部分にも特に惹かれるものはありませんでした。ただしこの録音の中に脇役ですが、もう一人超弩級が歌っています。パパゲーノではなく弁者役として参加したFDです。

ベーム指揮「ドン・ジョヴァンニ」の旧盤は前にも書きましたが、私にとっては何かと思い出と思い入れのあるレコードです。この録音でよく批判の対象になるのはドンナ・アンナのニルソンとタイトル・ロールのフィッシャー=ディースカウですが、もうこの二人が魅力的なのです。他の二人のソプラノも私の好きなアーロヨとグリストですし、まとまりはベームの新盤のほうが良いかもしれませんが(ウィーン・フィルですし)、個々の歌手陣の魅力はこちらのほうが上かなと思います。

そういえば、フィッシャー=ディースカウはモーツァルトの未完のオペラ「カイロの鵞鳥」のフィリップス盤の録音にも参加しています。シュライアー指揮のもので、私はこれしか聞いたことがないので他の演奏と比較してどうこうは言えないんですが、とても良い録音だと思います。演奏がどうこういう以前の問題として曲が素晴らしく、さすがに未完とはいえK422という番号がついてるだけのことはあります。
(続く)

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