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2012年10月

2012年10月28日 (日)

仙台フィル定期

20121028honcho 26日、仙台フィルの定期公演を聞いて来ました。カザフスタン出身のアラン・ブリバエフの指揮、メゾ・ソプラノの谷口睦美さんの独唱で、プログラムは前半がチャイコフスキーの交響曲第1番「冬の日の幻想」、後半がファリャのバレエ音楽「三角帽子」。ファリャの方はムーティがよくやる第1組曲、第2組曲の形ではなくて、アンセルメ盤などCDでは全曲版とされているほうの形。メゾの独唱が入ります。

実はこのコンサート、チャイコフスキーもファリャも得意分野じゃないので、パスしようかと思ってました。ただ谷口睦美さんはちょっと聞いてみたかったんですよね。「でも三角帽子じゃ歌うところ少ないしなぁ…」などと迷っていたら、ヴァラシエンヌさんからコメントをいただき、ダブリンでブリバエフの指揮を聴いてこられたときのお話を教えていただきました。

これは是非ともいかなくてはと思い、金曜日に聞きに行きました。両方共良かったんですが、特に後半の「三角帽子」がちょっとビックリの超名演!

躍動感、迫力、盛り上げの巧みさに音色の面白さ、それに谷口さんの深いメゾの美声も加わって、素晴らしく充実した時間になりました。
仙台フィルはフランス人指揮者のパスカル・ヴェロを常任に迎えて以来、メキメキと実力をあげていて、部分的には在京オーケストラをしのぐところすらあると評する人もいます。

確かにチャイコフスキー冒頭の弦の透明感や、やわらかで上品なニュアンスに満ちた木管のかけあいなど、なかなかに聞けないもの。さわやかさとか清涼感とかいった言葉で表せるような、明確な個性を身につけつつあるのかなとも思いました。それにあの盛り上がり! 私は仙台フィルの熱心な聞き手ではないので、間違ってるかもしれませんが、単にヴェロのもとで実力を上げたとか、ブリバエフの指揮が上手かったというだけでなく、あるいはサッカーのベガルタと一緒で、仙台フィルも震災後一皮むけたのかもしれません。

「冬の日の幻想」もとても良かったのですが、こちらの方は時に響きのコクとか、音色のブレンド感とかが欲しくなることもありました。カラヤンのCDで予習していったのが悪かったのかもしれません。あと第1楽章の金管のフォルテに、デリカシーをかいたノッペリ感がつきまとったのが気になりました。ファリャではそんなことなかったのですが。

指揮のブリバエフの才能は、この2曲でもあきらかだと思いますが、次は是非ともマーラーかショスタコーヴィチの交響曲を聴いてみたいものです。

写真は宮城県庁前(昨日)。紅葉にはあと一歩というところ。

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2012年10月27日 (土)

ヘンツェ死去!

20121027_2 さきほど家に帰ってパソコンの電源を入れたら、悲しい知らせが待っていました。
作曲家のハンス・ヴェルナー・ヘンツェがきょう27日、ドレスデンで亡くなったそうです。86歳でした。

ご冥福をお祈りいたします。

ヘンツェは言うまでもなく、20世紀後半を代表する巨匠ですが、戦後に一斉に花開いた現代音楽の作曲家たちの中では、例外的なまでによく聞かれかつ親しまれている人かと思います。

親しまれている理由はたぶん作品そのものにあるんだろうと思いますが(他の前衛作曲家の難解さに比べると聴きやすい)、あわせて劇場作品が多いということもありそうです。特に日本では1966年のベルリン・ドイツ・オペラ来日公演で、フィッシャー=ディースカウらの出演、作曲家本人の指揮により「若き恋人たちのエレジー」が上演されていて、おそらくこれによって日本での知名度は俄然高まったんじゃないでしょうか。(私はこの頃は音楽に興味を持ったか持たないかぐらいの時ですから、ヘンツェの名前はもっとずっと後になってから知りました。)
ヘンツェと日本との関係だと、他に三島の「午後の曳航」のオペラ化「裏切りの海」などという作品もありました。

ヘンツェほどの作曲家なら当然かもしれませんが、彼の作品はスター演奏家によって取り上げられることも多く、メッツマッハーは当然としてもアバドも取り上げていますし、特にラトルは好んで演奏しているようです。第7交響曲のCDは名盤ですし、私の手元には他にバーミンガムとの第8番のライヴ録音なんかもあります。ラトルはベルリン・フィルと最後の第10番の世界初演もしていて、ヘンツェの音楽を極めて高く評価してるのであろうと考えられます。(ラトルの世界初演時の演奏はNHK-FMでもライヴが放送になりました。)

ヘンツェの経歴・作品について詳しくお知りになりたい方は、Wikipedia を御覧ください。なお画像もWikiからで、1960年にケルンで撮られた写真のようです。

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2012年10月 4日 (木)

宮城野区文化センター

201210042 昨日書くつもりだったんですが、無理だったので今日にまわしました。

新設された「宮城野区文化センター」がJR仙石線の陸前原ノ町駅のそばに、2日オープンしました。
本来は今年4月開館予定だったのですが、震災の影響で半年遅れのオープンになりました。
コンサートホール、シアターなどを備える文化施設で、児童館と図書館、それに会議室・音楽室・実習室・体育館といった市民が利用できる各種施設を持つ市民センターが併設されています。

地図によっては区役所と文化センターの間をJR仙石線の線路が走っているものがありますが、実際にはこの部分は地下化されてるので、雰囲気的には同一の敷地内に区役所・文化センター・JRの駅を持つ複合施設のような感じを受けます。

宮城野図書館はこれまで東仙台4丁目の高層建物の1、2階のフロアを使っていて、古い建物なだけに震災の被害も甚大だったのですが、文化センターの開館と同時にこちらに移りました。(もちろん引越しは震災以前から決まっていたことです。)

201210043 蔵書は21万冊、CDやDVD、ビデオテープなどのAV資料が2万点。CDは借り出すこともできますが、クラシックに関しては仙台市内で一番充実しているのは泉図書館、次がメディアテークで、宮城野は3番目ぐらいでしょうか。
仙台市内の図書館が所蔵するAV資料はそれぞれの図書館ごとに特徴があり、泉はあらゆるジャンルの音楽をまんべんなく。クラシックもルネサンスから現代音楽まで、かなり充実しています。メディアテークはオシャレ系を目指しているらしく、フランス映画のサントラとか揃ってたりします。もちろんドゥミやルルーシュだけでなく、ゴダール、トリュフォーの映画サントラがあったり。
宮城野図書館の場合はよくわからないのですが、歌謡曲・演歌・J-POPが強い感じ。クラシックはちょっとひねった部分があって、例えばベートーヴェンの交響曲全集はカラヤンもベームも無いかわりに、ガーディナーとバレンボイムがあったりしますし、モーツァルト交響曲全集もホグウッドが用意してあります。

図書館の開館時間はウィークデイは夜7時までで、駅のそばなので電車で通勤してる人、あるいは他の区からやってくる人などには、これまでに比べ格段に便利になりました。(ただし我が家からは、これまでよりも凄く遠くなって不便になりました…;;)

201210044_2 意外なのはコンサート・ホールで、384席ですから狭いのですが、かなり本格的なものです。壁や床は木なので2~3年慣らすと相当に音響面が良くなってきそうな感じ。もっともこの狭い空間だと、あまり音響効果が良すぎると、一番利用頻度が多いと思われるコーラスや吹奏楽は、音が飽和してしまうかもしれません。
(そういえば昔、仙台市の隣町の多賀城市の小さなホールで、レナータ・スコットがリサイタル(ピアノ伴奏)を開いたことがあったんですが、スコットの声量に対してホールが狭すぎて、前半はわんわん反響して全然ダメだったことがありました。後半はスコットの方で調整してきたようで、とても良かったですが。プログラムも後半にプッチーニの有名アリア固め打ち、最後は「マノン・レスコー」の終幕のアリアで凄かったです。)

シアターは映画館の方のシアターじゃなくて、演劇用のシアターでこの週末に地元劇団I.Q150がこけら落とし公演を行うことになっています。

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2012年10月 2日 (火)

再開のご挨拶 & 宮城野区文化センター(宮城野図書館)オープン

20121002miyaginoku 皆さんこんにちは。お久しぶりです。
ずっと体調を崩していて、ブログもずいぶん長いこと休んでましたが、また始めたいと思っています。夜になると具合が悪くなるというのは、ブログを休む以前からだったのですが、それに加えて日中も無気力状態の日が多く、どうも精神的にやられてしまっていたような気がします。
(といっても精神科で診察してもらったわけではないので、どうなのかわからないのですが。精神安定剤を飲んだわけでもないのに秋になったらなおってきたところを見ると、ただの夏バテという線も…)

休んでる間にコメントをいただいた皆様には、レスを書けずに大変失礼いたしました。今日はちょっと無理なので、明日書かせて頂きます。

さてブログを休んでる間も、先日のアンディ・ウィリアムスや今日の金子哲雄さんなど、多くの有名人の訃報が相次ぎました。金子さん、激ヤセはダイエットじゃなくてご病気だったんですね・・・
ブログを休んでいた間にお亡くなりになった方々の中から、3人だけ、タイミングは逃しましたが、どうしてもお悔やみの気持ちを書かずにはいられません。

7月1日、まるでフィッシャー=ディースカウの後を追うように、ソプラノ歌手のイヴリン・リアーが亡くなりました。
リアーはご存知のようにベーム指揮の「魔笛」「ヴォツェック」「ルル」という名盤でフィッシャー=ディースカウの相手役をつとめた名ソプラノ。(「魔笛」の場合はパミーナとパパゲーノですから相手役というのとはちょっと違うかもしれませんが、モーツァルトの全オペラの中でもっとも美しいページをデュエットしてるので、どうしても相手役と書きたくなってしまいます。)

去年の4月1日に、恒例エイプリル・フールの偽ジャケットでベーム指揮の「ドイツ・レクイエム」をリアーとフィッシャー=ディースカウで作りましたが、1年足らずでふたりとも亡くなってしまうとは…

リアーはバス歌手のトマス・ステュアートとおしどり夫婦としても知られ、二人のデュエット・アルバムも出ています。

8月6日、作曲家のマーヴィン・ハムリッシュが亡くなりました。68歳でした。私が見た新聞の見出しが2つとも「コーラスライン」だったのに驚きました。
もちろんそれで正しいんですが、私にとってはなによりもまず「追憶」の作曲家ということになります。この年ハムリッシュは「追憶」でアカデミー賞の作曲賞と主題歌賞、「スティング」で編曲賞と、アカデミーの音楽3賞を独占するという偉業を成し遂げ(わずか30歳で)、一夜にして世界中にその名を轟かせました。アカデミー賞にはこの受賞した3つを含めて、あわせて12回ノミネートされています。

9月1日、バート・バカラックとのコンビで数々の名曲を送り出した作詞家のハル・デイヴィッドが亡くなりました。91歳だったそうです。
ディオンヌ・ワーウィックやカーペンターズらの数々のヒット曲、アカデミー賞を受賞した「明日に向って撃て!」の『雨にぬれても』に代表される多くの映画主題歌。ハル・デイヴィッド作詞とバカラック作曲の名作はあげ始めたらきりがありませんが、私が中でも好きなのは「幸せはパリで」です。

特に曲の中ほどに出てくる Here we are a million miles away from the past というフレーズ。英語でなければ絶対に出せない、なんと美しいニュアンスの詩でしょうか。

皆様のご冥福をお祈りいたします。

仙台市宮城野区に本日、新たに「宮城野区文化センター」がオープンしました(上の写真)。宮城野図書館やコンサートホールなどを持つ施設で、今日はそれも書こうと思ってたのですが力尽きました。明日に回したいと思います。

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