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2012年11月

2012年11月28日 (水)

スワン

20121128_yoheinuma 与兵衛沼の白鳥が8羽に増えました。すっかり季節の風物詩になったこの沼の白鳥ですが、昔はこのあたりまでは白鳥は南下して来ませんでした。20~25年前ぐらいからでしょうか、(当時は一冬にほんの数羽でしたが)冬になると白鳥が見られるようになったのは。

言うまでもなくこれは、それだけ沼や湖、湿地帯が減って、白鳥たちが南に来ざるをえない状態になってるという事を示しています。与兵衛沼自体は大昔はスケートが出来るほど厚い氷が張っていたという話ですが、現在はせいぜい真冬の一番寒い時期に薄く凍るくらい。冬の気温は相当高くなってるんだと思います。つまり白鳥にとっては非常に「暑い」地域まで降りてこないといけない状況になってるということですね。気の毒な話です。

また沼には、県北の伊豆沼や内沼のようにマコモが生えているわけではないので、餌探しも大変なんじゃないかと思います。人造湖ですから魚もそれほどいるはずがないですし(釣りをしてる人がいるので、多少はいるのかも)。

ところで白鳥といえば――

私の学生時代の友人で今も付き合ってる人がいるんですが――と言っても数年に一度会うぐらい――、彼も映画と音楽が好きで私とはよく話が合いました。
ところがこの人、本当に間違って覚えているのか、とぼけてるのかよく分からないんですが、固有名詞をやたら間違うのです。

たとえば指揮者のヴァツラフ・ノイマンのことを彼はビッツラ・ノイマンと言います。真面目な顔でいうので、ふざけてるのか間違ってるのかどうもよく判りません。ノイマンは鬼面人を驚かすような演奏をする指揮者じゃないので、かなり似合わないミスだと思うのですが。
あ、でも、私はノイマンはチェコ・フィル、N響、ウィーンのオペラなどで何度か聞いてるのですが、特にウィーンの「イェヌーファ」はそのあまりの立派さにビッツラしました。

それから彼はヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」のことを、「シモン・ボッカチネラ」と言います。これは多分「ボッカチオ」と「ボッカネグラ」を一緒にしたんですね。ボッカときたらボッカチオと連想が働かずにはいられないのかもしれません。
私が「ボッカネグラね、チネラじゃなくて」などと訂正しても、「ああ、ボッカネグラ、ボッカネグラ」と軽くいなされて、次からはやっぱりチネラに戻ります。

そんな彼と半年ほど前、ひさびさに会いました。なぜか映画「ブラック・スワン」の話になり、私たちの世代の場合は当然ヒロインのナタリー・ポートマンよりも、母親役を演ったバーバラ・ハシーの話で盛り上がりました。話題はハシー主演の「去年の夏」からフランク・ペリー監督の「泳ぐ人」、夏つながりで「思い出の夏」にまで広がり楽しかったのですが、彼は例によってバーバラ・ハシーをバーバラ・ハシーシと言うのです。

ハシーシじゃ麻薬だし、私は今日こそビシッと間違いを指摘・糾弾しようと思ったのですが、そのうちになんだかムラムラと対抗心が湧いて来ました。それで「主演のナタリー・ポートワインなんだけど、アカデミー賞も納得だよね」なんて言っちゃってみたのです。

彼はコンマ何秒か顔に悔しさをにじませたような気もしましたが、さらっと流して、以後はまるで親しい友人ででもあるかのように「ナタリーは」「ナタリーは」とファースト・ネームで呼び始めました。ふっふっふ、勝った…
次回はナタリー・ウォークマンと言ってみるつもり。

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2012年11月27日 (火)

仙台で初雪

20121127_yoheinuma 仙台市内は上空に強い寒気が入った影響で小雪が舞い、仙台管区気象台は初雪の観測を発表した。仙台の初雪は平年より3日遅く、昨年より4日早い。
(河北新報)

ぶるるるる…。う~寒いっ、やはり初雪のニュースを聞くと、本格的な冬の到来という感じがしますね。もっとも初雪といっても日中はほんの少し小雪が舞ったかどうか程度で、本格的な雪にはなりませんでした。

与兵衛沼には先々週の週末に2羽白鳥がきました。その後4羽に増えましたが、毎年15羽から20羽近くは越冬に来るので、本格的には12月になってからでしょうか。

今日は仙台駅前で維新の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行が街頭演説をやるというので、行ってみました。なぜに橋下氏はあんなに人気があるのか、もしくはあったのか?本当に噂されるような凄いカリスマ性があるのか?仙台ではどの程度の人気なのか?――あたりを確かめたいと思って。

街頭演説は午後2時20分から始まり、まず維新から立候補予定の人たちが挨拶、本来は2時30分頃から石原・橋下両氏が演説するはずだったみたいですが、どうやら2人の到着が予定より遅れたらしく始まったのは45分ぐらいだったでしょうか。その間ずっと立候補予定者数人が代わる代わるしゃべってました。

20121127 場所は裏五番丁のアエル前でペデストリアンデッキと周辺の歩道には群衆が集まってはいたのですが、「鈴なり」とか「黒山」とか言うほどではなく、思ったより少ないなという印象。驚いたのは聴衆の温度の低さで、立候補予定者たちが挨拶しても、演説が終わってもほとんど拍手もなし。まあ誰も知らない人たちですから、しょうがないんですが。

唯一宮城県民なら誰でも知ってる元議員の中野正志氏(宮城2区から立候補予定)にしても、支持者はみな県議時代から三塚博氏系列の自民党の議員としての中野氏を応援していたんでしょうし、いきなり維新から出馬と言われてもしらけるばかりなのかもしれません。

意外だったのは石原・橋下両氏が到着してからも聴衆の温度の低さが変わらなかったことで、もちろん拍手は出たものの、これも「万雷」からは程遠く、特に石原さんの挨拶が終わった後など、まったく熱のない拍手で、この石原嫌いの私ですら気の毒になるほどでした。橋下氏はさすがにもう少し拍手は多かったようですが、これも思ったほどではなく。

石原代表はちょっと言葉がはっきりしなくて、モゴモゴしていたのですが、橋下氏は牛若丸で、彼を義経にそして頼朝にしたいんだと、自分はそのための弁慶になるんだと力説。義経になったら頼朝にはなれないと思うんですが、なぜか短い演説時間の中で、この話を3回も繰り返していました。

橋下氏はさすがにクリアで演説も上手かったです。既存の政治家たちがいかに駄目か、批判していましたが、だったらオール新人で擁立すればいいのに。つまらなかったし寒かったので、私は橋下氏の演説の途中で帰りました。カリスマは特に感じませんでした。

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2012年11月19日 (月)

ザ・シンガー~風変わりな人々・16

20121019kotohdai1 (昨日からの続きです)
私が座って一休みした椅子は左の写真のベンチ。ここに座ってミネラル・ウォーターを飲んで、ほっと一息つきました。最近はどうも体力がなくなって、すぐ疲れるのです。
20メートルほど離れたところには野外ステージがあって、ステージの前は観客用のベンチが円形に取り囲んでいます(右下の写真)。JAZZフェスの時などはもちろん会場になりますし、何かイベントがあるたびにアマチュアのバンドが演奏したりもしています。

そのステージから歌が聞こえました。でも変なのです。ステージには誰もいないのに歌だけ聞こえるのです。もちろん観客もいなくて、ステージ前のベンチにはポツポツと離れて3人ぐらい暇そうにしてるだけ。

20121119kotohdai2 最初、ステージ裏で誰かが歌の練習をしてるのかな?と思いましたが、それにしては音が近いのです。ベンチで暇そうにしてる3人のうち一人はホームレスのおじさんで、眠っていました。もう一人は自転車用のヘルメットをつけてすごく大きなリュックを背負った若者で、荷台の荷物を詰め替えたりしていました。雰囲気的には自転車で日本一周してます的な感じ。もう一人は中年の女声で長い髪に黒いサングラス。でも彼女は微動だにせず座っています。とても歌を歌ってるふうには見えません(でも実は彼女だった)。

そのうち私はもっと変なことに気づきました。聞こえてくる歌はどれも歌謡曲だったのですが、非常にしばしば音程がなくなるのです。つまり全部同じ音で歌っちゃってるようなのです。

♪ 寝乱れて、隠れ宿、つづら折、浄蓮の滝~

「この曲なんだっけ?」
耳に馴染んだ曲でも音程がないと、わからなくなってしまうものなんですね。ちょっと意外。聞いたことがありそうな、知ってる曲なんだけど思い出せないと歯痒い思いをしていたのですが、次の歌詞で判りました。

♪ くらくら燃える火をくぐり~

天城越えだっ!と気がついてスッキリした瞬間、その歌声も「♪あなたと越えたい天城越え」と、回答を発表してくれました。
歌は次にアリスの「冬の稲妻」になり、それから中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は」になりました。私はどっちも歌えるので分かるのですが、2曲とも歌詞は正確です。音程は相変わらずなくなるのですが。

石川さゆり、アリス、明菜とくると、どうやら歌ってる人は私と同世代かちょっと下ぐらい?と推測。
次に全く予想外の曲が出てきたのですが、それは同世代という私の推測を裏付けることになりました。

♪ モスラヤ~、モスラ~

それまで正確に歌詞を朗唱していたその人ですが、この曲だけはなぜかずっと「モスラヤ~、モスラ~」の部分だけ繰り返し歌ってるのです。まあ、難しいですもんね、あのモスラの歌の歌詞は。

私はどうしても誰が歌ってるのか知りたくなり、ステージの方に近づきました。すると実は微動だにしてないと思ったサングラスの女性が、上半身はピクともさせずに、口だけ動かして歌っていたのです。それまでは男の声か女の声か判断がつかなかったのですが、女性と判ってみると確かに女の声でした。

私は何気に「ただの散歩ですから」風を装い、自分の椅子に戻りました。
ふ~む・・・いったいこの女性は、なぜに公園で大声で歌ってるんだろうか?しかも身体は微塵も動かさずに。疑問はいろいろと湧いて来ましたが、まあ人それぞれ事情はあるしなどと思っていると、また曲は「天城越え」に戻りました。

もしかしてここから今まで歌った曲をループするんだろうかと思い、私は立ち上がりました。そして公園を後に、家路をたどろうとしたその時です。
彼女はまるで私を歌で見送るかのように、まったく意外なレパートリーを繰り出してきたのです。

♪ 響きわたる鐘の音に、やがて夜の訪れに~

ドヴォルザーク?!!

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2012年11月18日 (日)

紅葉

20121118_autumn_leaves1










仙台の秋の写真を撮りためてたんですが、ここニ、三日の寒さですっかり冬。紅葉から枯葉の景色になってしまいました。ちなみに明日朝の最低気温は3度とか。えっ!3度!!?真冬じゃん・・・

20121118_autumn_leaves2 ところで気温のせいでしょうか、心なしか今年は例年よりも紅葉が綺麗だったように思います。(もっとも去年は紅葉を愛でるような心の余裕などとても持てなかったので、ことさら今年が鮮やかに感じられるだけかもしれませんが。)写真は3枚とも今月上旬に撮影したものですが、今日現在では街路樹の葉は、黄色や赤からむしろ茶色っぽい感じになってしまいました。昨日、今日の強い風ですっかり葉が落ちて、寒そうな木も多くなったようです。それにしてもついこの間まで、「残暑が厳しい~」とか言ってたのが、嘘のよう。

20121118_autumn_leaves3 ところで先月のはじめ頃の話です。私は宮城県庁の前にある勾当台公園を歩いていました。天気がよくポカポカと暖かかったので、ミネラル・ウォーター(私は血液が濃くなるとまずいので、春~秋の汗ばむ時期はいつも肌身離さず持ち歩いていた)を飲もうと思い、ベンチに腰掛けました。

すると遠くに発見したのです。風変わりな人を――
(続く)

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2012年11月 6日 (火)

エリオット・カーター死去

Elliottcarter_part なんと!ヘンツェに続いて、今度はアメリカの作曲家エリオット・カーター死去のニュースが。
ニューヨーク・タイムズによれば昨日5日(現地時間)、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのアパートメントで亡くなったとのことです。103歳でした。

カーターについては私はあまり詳しいことは知りません。アメリカを代表する作曲家で、すごく難しいということぐらい。
とはいえそんな私ですら、調べてみるとかなりのライヴ録音を所有していました。アルディッティ四重奏団による弦楽四重奏曲は当然としても、ニコレによる「スクリーボ・イン・ベント」やホリガーによるオーボエ協奏曲、ブーレーズとニューヨーク・フィルによる「管弦楽のための協奏曲」(記憶が定かじゃないのですが、来日公演のライヴかも)。アバド指揮でソプラノのウォームズリー・クラーク(S) による「その中に住むための鏡 A Mirror on Which to Dwell」なんて作品もありました。

カーターは90歳を過ぎてから、はじめてのオペラ「What's Next?」を作曲してるのですが、これは私は聞いたことがありません。カーターの作風でオペラってどんなことになってるのか、想像もつかない感じ。リンデンで世界初演された40分ぐらいの1幕もののオペラのようですが。

ニューヨーク・タイムズの記事を検索していたら、100歳のバースデイを記念してのコンサートの写真を見つけました。カーネギーホールでピアノとオーケストラによる協奏作品のニューヨーク初演が行われたようで、バレンボイムのピアノ、レヴァイン指揮ボストン響という豪華なメンバーによる演奏だったようです。バースデー・ケーキはピアノの鍵盤と音符の模様に「100」と大きく。カーターもうれしそうですね。

100歳を過ぎてからもなお What's Next? と次回作を期待された作曲家でしたが、これで永遠にネクストはなくなったことになります。ご冥福をお祈りいたします。

※カーターの写真はWikipediaからです。

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