映画

2013年7月 3日 (水)

「カルテット!人生のオペラハウス」 ダスティン・ホフマン監督

20130703_quartet イングランドの美しい田園地帯にある引退した音楽家のための養老院「ビーチャム・ハウス」。そこにはさまざまなミュージシャンたちが暮らしています。有名なオーケストラの元団員。かつてはロイヤルオペラで主役をはった元プリマドンナ。いまもハツラツとした音を奏でるトランペッター。G&Sのオペレッタで聴衆を楽しませた歌い手たち。

ところがこの養老院、資金難で閉鎖の危機にあるのです。なんとかホームを存続させるために運営資金集めのコンサートを計画。皆がそれぞれ練習してるのですが、なんだかシッチャカメッチャカの状態。
そこに新たな入居者がやってきます。それはスカラ座やコヴェントガーデンのプリマだったソプラノ歌手のジーン(マギー・スミス)。昔は華やかな舞台で喝采を浴びた彼女。お金もなくなり老人ホームの世話になる自分の姿に、憂鬱な思いを隠せません。

歓迎されるジーンですが、中にただ一人彼女の入居に憤っている男がいます。それはテノール歌手のレジー。実は彼は昔ジーンと(9時間だけ)結婚していたのです。
彼をなだめるのはやたら女性スタッフにちょっかいを出したりエロな発言ばかりしているバリトン歌手のウィルフ。彼はかつてはリゴレット役として有名で、ジーンやレジーとロイヤルオペラで共演した仲。
そしてなんとか皆の間を取り持とうとするのは陽気なメゾ・ソプラノのシシー。彼女もこの3人とはよく共演したスター歌手で、この4人が録音した「リゴレット」の全曲盤は、今だにCDが発売されているほど。

そう、かつてロイヤル・オペラの舞台を彩った伝説のカルテットが揃ったのです。なんとかこのカルテットを復活させ、コンサートの目玉にしようと考える主催者。しかし過去の栄光に縛られたジーンは歌うことなど考えたくもありません。既に高音も失っています。そしてレジーはジーンへの怒りを解こうとはせず・・・ いったい二人の間には何が?そしてホーム存続をかけたコンサートの行方は?

昔「ドレッサー」という大変に面白い映画がありました。1983年の映画でピーター・イェーツ監督。アルバート・フィニー演ずる劇団の座長とトム・コートネイ演ずるその付き人の確執を描いたもの。フィニーとコートネイの押しと引きの演技が絶妙で、アカデミー賞には二人が主演男優賞にダブル・ノミネートされました(ゴールデン・グローヴ賞もダブル・ノミネートでコートネイが受賞)。
この「ドレッサー」は、有名な脚本家のロナルド・ハーウッドが自らの舞台劇を映画用に脚色したものですが、それから30年。ハーウッドが再び自作の戯曲を元に映画の脚本を描き上げたのがこの作品。ハーウッドはダニエル・シュミットの「トスカの接吻」にインスパイアされてこの戯曲を書いたのだそうで、舞台版の方は日本では黒柳徹子さんの主演で上演されています。

そして映画版で監督をしたのは、なんとダスティン・ホフマン。俳優歴50年にして初の監督作で、考えてみると舞台演出もしている彼が、なぜにいままで映画の監督をやらなかったのか不思議です。

この作品には老人ホームの入居者として引退したミュージシャンが多数出演、実際に演奏するシーンも出てくるのですが、それらは全て本物の音楽家たちを起用していて、撮影と同時録音で演奏も収録していったそうです。最後のクレジットで判ったのですが、ヴァイオリンを演奏するのは元LSOコンサート・マスターのジョン・ジョージアディス。そうと知ってたらヴァイオリンに注目して見るんだった…(他にクラリネット奏者とトランペット奏者も名前に聞き覚えがあったのですが、よく思い出せません。)

これに対して主役となるカルテットの4人の元オペラ歌手だけは俳優が演じています。当然彼らは自ら歌うことは出来ないわけですが、驚いたことにダスティンはレコード録音を使用して口パクという、よくある方法に頼りませんでした。4人が歌の練習をする場面は、インストゥルメンタルの音楽が流れ歌は出ません。最後のコンサート・シーンも口パク処理はなされず、このへんにダスティン・ホフマンという人の真面目さ、誠実さを感じます。

実際にジーンの歌として映画の中で流されるのは、たしか「リゴレット」のアリアがコトルバスのDG盤、四重唱がサザーランドとパヴァロッティのDecca盤じゃなかったかと思います。でも、ベルトルッチの「ルナ」のように口パクで声質が違う複数音源を使われるとやたら気になるのですが、ここではほとんど気になりません。

で、この映画、脚本もよく出来てるし、ダスティンの演出も堂に入ったものですが、何と言っても主演の4人の演技が素晴らしいのです。ジーンにはマギー・スミス。ゴールデン・グローヴ賞の主演女優賞候補になっています。レジーは「ドレッサー」以来30年ぶりのトム・コートネイ。ウィルフのビリー・コノリーはよく知りませんが、イギリスではコメディアンとしても有名だそうです。
そしてシシーを演じるのはポーリーン・コリンズ!あのシャーリー・ヴァレンタインがこんな役をやるようになったんですねえ…。このポーリーンが実に良くて、ボケるところなど絶妙の演技をみせています。マギー・スミスの陰に隠れて映画賞では評価されなかったのが残念です。

そしてオペラ好きには凄いサプライズが用意されています。ホームの入居者でジーンのライバルだったソプラノ歌手役として、なんとグィネス・ジョーンズが出演しているのです。彼女は映画のラストで「歌に生き恋に生き」を歌うのですが、驚いたのは声にまだまだ瑞々しさが残っていること。たださすがに歌の形は崩れ気味のように思います。

グィネス(役名はアン)がカラヤン指揮の「オテロ」のビデオを見るシーンがあって、おもわずニヤリとさせられる台詞もあります。ジルダが得意だったジーンがデズデモナをレパートリーにしていたかどうかはわかりませんが、演ずるマギー・スミスが国際的に有名になったのは映画「オセロ」でオリヴィエの相手役をつとめてからでした。(小道具としてジーンの『ヴェルディ・ワーグナー・アリア集』というLPが出てくるので、カラスやステューダーのようななんでも歌える歌手だったのでしょうか。あるいはポップのようにジルダから長い年月をかけてエリーザベトやエルザまで進んできた人なのか)――ま、こんなくすぐりも随所にあって面白いです。老いについて考えさせられることも多々あるし。映像も素晴らしく綺麗。仙台は今週で終わっちゃいますが、まだやってるところがあったらおすすめです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年2月25日 (月)

アカデミー賞、主演女優賞はジェニファー・ローレンス

20130225 正確には覚えてないんですが、ウィリアム・P・ブラッティが書いた映画「エクソシスト」の原作に、「映画なんてスタッフと俳優が良ければ、監督が無能でも良い作品は出来上がる。ポール・ニューマンの『レーチェル レーチェル』がいい例だ」というような台詞がありました。さすがに映画の脚本からはこのセリフは消えてましたが、本当にそんなものなんでしょうか?「レーチェル レーチェル」は非常に優れた映画でしたし、ニューマンは第二作目の「わが緑の大地」でもある程度の力量は発揮したように思いますが、どうなんでしょう?

さて、アカデミー賞が発表されました。全く事前の予想通りの受賞結果で、これほどまでに意外性を欠いた年というのも珍しいんじゃないでしょうか。

作品賞は「アルゴ」。監督賞にノミネートされていない作品が受賞したのは「ドライビング Miss デイジー」以来、23年ぶりのこと。アカデミー賞はアメリカの映画人で作る映画芸術科学アカデミーの会員の投票によって選ばれます。作品賞は全員の投票で選ばれるのに対して、各部門賞はその部門の会員だけでえらびます。つまり監督賞ならノミネートも受賞も、仲間の監督たちによって選ばれるのです。全映画人によって年間の最高作と認められた作品の監督が、候補にすらなっていないというのは、どういうことを意味するのでしょうか?

監督たち自らが「映画なんてスタッフと俳優が良ければ、監督が無能でも良い作品は出来上がる」ということを証明したがってるのでしょうか?それともアカデミー賞のノミニーなんて所詮、嫉妬やら何やらの個人的感情がからむのさ、ということを証言してるのでしょうか?監督として種々の困難をさばく力量があるかどうかと、作品の出来が比例しないのは勿論ですから、監督賞が作品賞とは別の作品に与えられるというのは不思議でもなんでもないのですが、候補にも上がってないというのは、いかがなものかと思ってしまいます。

主演男優、助演男女優賞は下馬評通りダニエル・デイ・ルイス、アン・ハサウェイ、クリストフ・ヴァルツ。ジェニファー・ローレンスとジェシカ・チャスティンの一騎打ちと見られていた主演女優賞はジェニファーが勝ちました。

監督賞は「ブロークバック・マウンテン」に続き2度めのアン・リー。これも予想通り(スピルバーグと予想してた人はど素人)。リーは2回とも作品賞は別の作品に持っていかれるという、喜んでいいのかどうなのか微妙な受賞です。
オリジナル脚本賞はタランティーノの「ジャンゴ繋がれざる者」、下馬評通り。脚色賞は「アルゴ」、同じく。歌曲賞はアデルの「007スカイフォール」、同じく。外国語映画賞も本命の「愛、アムール」。他の受賞については allcinema のサイトでご確認下さい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013年1月15日 (火)

大島渚監督が死去

20130115 「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」などで知られる映画監督の大島渚さんが15日午後3時25分、肺炎のため神奈川県の病院で死去した。80歳。京都市出身。1954年松竹に入社。「青春残酷物語」などで日本のヌーベルバーグの旗手として注目されたが、「日本の夜と霧」の上映中止をきっかけに退社。大胆な性描写に挑んだ日仏合作「愛のコリーダ」を発表後、78年「愛の亡霊」でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞した。
(共同通信)

上の共同の記事に載ってないことを若干補足すると、生まれは1932年岡山県。京都大学法学部卒業後、54年に松竹入社。映画監督としての長編デビューは1959年「愛と希望の街」ですが、その前に同じ59年「明日の太陽」という短編を撮っているそうです。
1960年の「青春残酷物語」と「日本の夜と霧」が名声及び評価を決定づけたと言ってもよいのでしょうか。それ以来数々の話題作を発表してきた、というより大島渚が撮れば否応なく世の話題になるというような監督であったのだろうと思います。
1961年には松竹が「日本の夜と霧」を、大島監督に無断で4日で上映を打ち切ったことに抗議して、松竹を退社。夫人で女優の小山明子さんを含む仲間とともに「創造社」を設立し、以降は1972年の「夏の妹」を最後に解散するまで、創造社が大島監督のベースになります。

私がはじめて見た大島監督の作品は「少年」でした。これは実際に起きた当たり屋の事件に取材したもので極めて優れた映画でしたが、40年前に見ただけなので、いくつかのシーンがフラッシュバックのように浮かんでくるだけで全体はもう思い出せません。
次に見たのが「儀式」。キネマ旬報の第1位になった作品で、これも非常に強烈な印象を受けました。しかしこの作品については後年、この映画の脚本を書いた田村孟さんが「『儀式』は失敗作だ」と仰ってました。なぜそう思うのか興味があったのですが、なんとなく問いただせないままに終わりました。

大島さんは1996年に脳出血で倒れ、リハビリ生活を送ることになります。翌年の田村孟さんの告別式には車椅子で出席し弔辞を述べられました。1999年、再起し「御法度」を発表。しかしその後再び病状が悪化し、リハビリ生活に戻ることになります。
もう10年以上新作映画は作っていませんでしたが、やはり亡くなったというと――私は必ずしも大島監督の映画が好きではありませんでしたが――何か言い知れぬ感慨に襲われます。

一昨年2011年にはプロデューサーで妹の大島瑛子さんも、脚本家の石堂淑朗さんも亡くなって、時代が終わったというより、時代はとっくに終わっていたけれど、ついにそのかすかな残り火も完全に消え去ってしまったという感じでしょうか…。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月14日 (月)

ゴールデン・グローブ賞は「アルゴ」と「レミゼ」

20130114_gg ゴールデン・グローブ賞が発表されました。
作品賞はドラマ部門がベン・アフレックの「アルゴ」。ミュージカル・コメディ部門が「レ・ミゼラブル」という結果になりました。「アルゴ」は既に放送映画批評家協会賞も受賞していて主要賞2冠です。監督賞も「アルゴ」のベン・アフレックですが、アカデミー賞では「アルゴ」は作品賞にはノミネートされたものの監督賞候補からは落ちています。

作品賞(ドラマ) 「アルゴ」
作品賞(ミュージカル・コメディ) 「レ・ミゼラブル」
主演男優賞(ドラマ) ダニエル・デイ=ルイス(リンカーン)
主演女優賞(ドラマ) ジェシカ・チャスティン(セロ・ダーク・サーティ)
主演男優賞(ミュージカル・コメディ) ヒュー・ジャックマン(レ・ミゼラブル)
主演女優賞(ミュージカル・コメディ) ジェニファー・ローレンス(世界にひとつのプレイブック)
助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ 繋がれざる者)
助演女優賞 アン・ハサウェイ(レ・ミゼラブル)
監督賞 ベン・アフレック(アルゴ)
脚本賞 クエンティン・タランティーノ(ジャンゴ 繋がれざる者)
歌曲賞 『スカイフォール』(作詞・作曲 アデル)(007 スカイフォール)
音楽賞 マイケル・ダナ(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)
長編アニメ賞 「メリダとおそろしの森」
外国語映画賞 「愛、アムール」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月10日 (木)

アカデミー賞ノミネーション発表

20130110 最多候補はスピルバーグの「リンカーン」で12部門。「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」が11部門。
衣装デザイン賞には、亡き石岡瑛子さんが遺作の「白雪姫と鏡の女王」で候補に上がりました。

今回最大の話題は、主演女優賞に現在9歳(撮影時には6歳!)だった子役のクヴァンジャネ・ウォレスがノミネートされたこと。出演作品の「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」はインディ作品で監督も長編デビューという、アカデミー賞では比較的無視されがちな条件の作品であるにもかかわらず、主演女優賞の他に作品・監督賞など計4部門の候補に上がりました。原題は Beasts of the Southern Wild で、すでにサンダンス・NHK国際映像作家賞やサンダンス映画祭グランプリ(審査員大賞)、カンヌ映画祭のカメラ・ドールを受賞しています。

それに受賞は無理でしょうけど、ハネケの「愛、アムール」が作品賞の候補になったのも驚きです。「愛、アムール」は他に監督・主演女優・オリジナル脚本・外国語映画賞と計5部門にノミネートされています。

目立つ賞だけあげておきますので、全部門を知りたい方は allcinema のサイトで御覧ください。

作品賞
「愛、アムール」
「アルゴ」
「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」
「ジャンゴ 繋がれざる者」
「レ・ミゼラブル」
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
「リンカーン」
「世界にひとつのプレイブック」
「ゼロ・ダーク・サーティ」

主演男優賞
ブラッドリー・クーパー  「世界にひとつのプレイブック」
ダニエル・デイ=ルイス  「リンカーン」
ヒュー・ジャックマン  「レ・ミゼラブル」
ホアキン・フェニックス  「ザ・マスター」
デンゼル・ワシントン  「フライト」

主演女優賞
ジェシカ・チャステイン  「ゼロ・ダーク・サーティ」
ジェニファー・ローレンス  「世界にひとつのプレイブック」
エマニュエル・リヴァ  「愛、アムール」
クヮヴェンジャネ・ウォレス  「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」
ナオミ・ワッツ  「インポッシブル」

助演男優賞
アラン・アーキン  「アルゴ」
ロバート・デ・ニーロ  「世界にひとつのプレイブック」
フィリップ・シーモア・ホフマン  「ザ・マスター」
トミー・リー・ジョーンズ  「リンカーン」
クリストフ・ヴァルツ  「ジャンゴ 繋がれざる者」

助演女優賞
エイミー・アダムス  「ザ・マスター」
サリー・フィールド  「リンカーン」
アン・ハサウェイ  「レ・ミゼラブル」
ヘレン・ハント  「The Sessions」
ジャッキー・ウィーヴァー  「世界にひとつのプレイブック」

監督賞
ミヒャエル・ハネケ  「愛、アムール」
ベン・ザイトリン  「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」
アン・リー  「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
スティーヴン・スピルバーグ  「リンカーン」
デヴィッド・O・ラッセル  「世界にひとつのプレイブック」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月14日 (金)

ゴールデン・グローブ賞のノミネーション発表

20121214_gg アカデミー賞の前哨戦などとも言われて注目される、ゴールデン・グローブ賞の候補が発表になりました。ご存知のように作品賞と主演賞はドラマ部門とミュージカル/コメディ部門にわかれています。
最多候補はスピルバーグの「リンカーン」で7部門。

作品賞(ドラマ)
 「アルゴ」(1979年のイランのアメリカ大使館人質事件に取材したベン・アフレック監督主演のポリティカル・サスペンス。10月日本公開済)
 「ジャンゴ 繋がれざる者」(来年3月公開予定、ジェイミー・フォックス主演、タランティーノ監督の西部劇。ディカプリオが悪徳農園主を演じるらしいです)
 「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(アン・リー監督の新作で1月公開。予告編見る限りではかなり面白そう)
 「リンカーン」(スピルバーグ監督、ダニエル・デイ・ルイス主演の話題作。日本は来年4月公開予定)
 「ゼロ・ダーク・サーティ」(「ハート・ロッカー」でアカデミー賞を受賞したキャスリン・ピグロー監督の新作。主演はジェシカ・チャスティン)

作品賞(ミュージカル/コメディ)
 「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2月公開予定、「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督。ジュディ・デンチやらマギー・スミスやら)
 「レ・ミゼラブル」(ご存知レ・ミゼ。21日からロードショウ。)
 「ムーンライズ・キングダム」(「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督。2月公開予定のコメディ)
 「砂漠でサーモン・フィッシング」(ラッセ・ハルストレム監督の新作。またまたユアンの主演)
 「世界にひとつのプレイブック」(2月公開予定、デイヴィッド・O・ラッセル監督。ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス。助演でデ・ニーロが出てるみたいです)

主演男優賞(ドラマ)
 ダニエル・デイ=ルイス  「リンカーン」
 リチャード・ギア  「Arbitrage」
 ジョン・ホークス  「The Sessions」
 ホアキン・フェニックス  「ザ・マスター」
 デンゼル・ワシントン  「フライト」

主演女優賞(ドラマ)
 ジェシカ・チャステイン  「ゼロ・ダーク・サーティ」
 マリオン・コティヤール  「君と歩く世界」
 ヘレン・ミレン  「ヒッチコック」
 ナオミ・ワッツ  「インポッシブル」
 レイチェル・ワイズ  「Deep Blue Sea」

主演男優賞(ミュージカル/コメディ)
 ジャック・ブラック  「Bernie」
 ブラッドリー・クーパー  「世界にひとつのプレイブック」
 ヒュー・ジャックマン  「レ・ミゼラブル」
 ユアン・マクレガー  「砂漠でサーモン・フィッシング」
 ビル・マーレイ  「Hyde Park on Hudson」

主演女優賞(ミュージカル/コメディ)
 エミリー・ブラント  「砂漠でサーモン・フィッシング」
 ジュディ・デンチ  「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」
 ジェニファー・ローレンス  「世界にひとつのプレイブック」
 マギー・スミス  「カルテット!人生のオペラハウス」
 メリル・ストリープ  「Hope Springs」

助演男優賞
 アラン・アーキン  「アルゴ」
 レオナルド・ディカプリオ  「ジャンゴ 繋がれざる者」
 フィリップ・シーモア・ホフマン  「ザ・マスター」
 トミー・リー・ジョーンズ  「リンカーン」
 クリストフ・ヴァルツ  「ジャンゴ 繋がれざる者」

助演女優賞
 エイミー・アダムス  「ザ・マスター」
 サリー・フィールド  「リンカーン」
 アン・ハサウェイ  「レ・ミゼラブル」
 ヘレン・ハント  「The Sessions」
 ニコール・キッドマン  「The Paperboy」

助演賞の顔ぶれが酷いですね。全員主演賞候補になってしかるべき人達じゃないですか。こういうんじゃなくて主役は張れず、でも脇役で頑張ってる人を候補にして欲しいのに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月30日 (水)

新藤兼人監督まで!

いまちょっと時間がなくて、ちゃんと書くことが出来ないので、一言だけで失礼します。

映画監督で脚本家の新藤兼人さんが亡くなられたそうです!なんということでしょうか。
享年100歳、老衰とのことです。

巨匠と呼ばれる高齢の有名人たちが次々と亡くなっていく。どうしたんでしょう・・・

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年5月28日 (月)

カンヌはまたハネケ!

Photo フィッシャー=ディースカウの名盤がなかなか先にたどり着けませんが、カンヌ映画祭が閉幕しました。

最高賞のパルム・ドールは、2009年の「白いリボン」の受賞も記憶に新しいミヒャエル・ハネケ監督で、「アムール(Amour)」。ダルデンヌ兄弟に続くカンヌの寵児になっちゃいましたねえ。

以下は主な受賞者・受賞作。

グランプリ 「リアリティー(Reality)」(イタリア、フランス) マッテオ・ガローネ監督 
監督賞 「ポスト・テネブラス・ルクス(Post Tenebras Lux)」(メキシコ、フランス、オランダ、ドイツ) カルロス・レイガダス監督
男優賞 「ザ・ハント(英題)」(デンマーク)マッツ・ミケルセン
女優賞 「ビヨンド・ザ・ヒルズ(英題)」(ルーマニア、フランス、ベルギー)コスミナ・ストラタン、クリスティーナ・フルトゥ
脚本賞 『ビヨンド・ザ・ヒルズ(英題)」クリスティアン・ムンジウ
審査員賞 「ジ・エンジェルズ・シェア(英題)」(イギリス、フランス、ベルギー、イタリア)ケン・ローチ監督 
(シネマトゥデイ)

パルム・ドールの「アムール」は、カンヌ映画祭の公式HPのよれば、

>80代のジョルジュとアンヌは、共に元音楽教師という教養のある夫婦。ふたりの娘もまた音楽家で、家族とともに外国で暮らしていた。ある日、アンヌが事故に遭い、夫婦をつなぐ愛情が過酷な試練に直面する

という作品のようです。
主演はジャン=ルイ・トランティニアンとエマニュエル・リヴァ、イザベル・ユッペール。トランティニアンでアンヌというとどうしても、アヌーク・エーメを思わずにいられませんが、アンヌを演じるリヴァは「24時間の情事」の人。カイヤットの「先生」ではジャック・ブレルの奥さん役をやっていましたね。

共演者の中にアレクサンドル・タローという名前がありますが、どうやらあのピアニストのアレクサンドル・タローのようです。やはりピアニストの役でしょうか。

なお脚本賞のムンジウは、2007年のパルム・ドール「4ヶ月、3週と2日」の監督です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年5月16日 (水)

「人生はビギナーズ」 マイク・ミルズ監督

20120516_beginners 少し体調が戻ってきたものの、休んでたぶん仕事が立て込んでしまい、なかなかブログに復帰できませんでした。体の調子は完全ではないんですが、とりあえず大きな仕事がひとつ終わって暇になったので、更新再開したいと思います。――ということで時間が出来たこともあり、今日は映画「人生はビギナーズ」を見てきました。

ストーリーをざっと読んだ感じでは、あまり興味をひかれそうな話でもなかったんですが、なにしろクリストファー・プラマーのアカデミー賞最高齢受賞作です。アカデミーだけでなく英米の殆どすべての対象になりうる映画賞で、助演男優賞を独占しました。SOMマニアとしては見逃すわけにはいきません。(まあ「最高齢」の部分については、数年内にもマックス・フォン・シドーによって記録更新される可能性がありますし、願わくばプラマー自身によって主演賞受賞で更新してほしいものですが。)

「『私はゲイだ』父が75年目に明かした真実が、僕の人生を大きく変えた。」
映画の内容は各種宣伝でも明らかにされているように、70歳代になった父親(プラマー)からいきなりゲイであることをカミングアウトされた男(ユアン・マクレガー)が、とまどいつつも人生最後の日を謳歌する父の姿に感化され、自身の生き方を見直すというもの。

と書くと(後半部分は)ありきたりな自分探しものみたいで、つまんなさそうなんですが――だから最初はあまり気が進まなかったんですが――実際に見てみたら、全く予想と違う映画でした。なによりもアメリカ映画のウェルメイドとは違い、むしろヨーロッパ映画を思わせます。

監督は非常に能力のある人とみました。いくつもの時制が交錯する作りなんですが、まったく混乱すること無くスムーズに流れていて、巧みです。映像はおしゃれ、衣装や小道具、セット、背景の景色はもちろん非常に吟味されセンスが良く、映画のテンポはゆっくりなんですが、これ以上緩かったらトロくなっちゃうというギリギリのラインでとどまっています。

プラマーとマクレガーの演技が上手いのは言うまでもありません。特にマクレガーはプラマーの名演の陰に隠れて映画賞などでは特に評価されてませんが、繊細で的確な演技でもの凄くいいです。そしてユアンの恋人役になるメラニー・ロランが超絶的な美人で、登場シーンからラスト・シーンまですべての表情がチャーミング。彼女を見るためだけでもおすすめしてもいいかも知れません。

まだ少し夜になると具合が悪くなり、早く寝ないといけないので詳しいストーリーは割愛します。
ただ不思議な事にこの作品はなにか物足りなさも感じます。良作と言えますし、一つ一つのシーンは非常に魅力的であったり、考えさせるものであったり、共感を抱かせるものであったり、またプラマーの夫婦関係にショッキングな設定もあるのですが、見終わってなんとはない不満を感じるのです。

普通のドラマなら掘り下げるところを素通りしたり、詳しく説明するところをパスしてるのかも知れませんし、あるいはもしかすると監督の自伝的作品であることが影響してるのかも知れません。作り物としてのドラマを構築するよりは、実体験をそのままなぞる方に重点がおかれてしまったんじゃないかとも想像できます。実人生って決してドラマのように整合性のあるものじゃありませんから。

ゆるいテンポの映画はダメな人、結論の出ない映画は嫌いな人には、絶対におすすめできませんが、考えるのが好きな人にはおすすめです。私はこの映画の登場人物の中では、メラニー・ロランに最も共感をいだきました。箪笥のシーンでの感情など、「ああ、わかるなあ」という感じ。マクレガーの母、つまりプラマーの妻も少し奇妙な、でも非常に興味深い人物として描かれていて、映画は積極的に描こうとしていない彼女の人生に、つい思いを馳せてみたくなりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月 7日 (土)

遅ればせながらラジー賞

20120407_razzie_award アメリカ映画界で最低・最悪の映画や俳優に与えられるラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)。昔はアカデミー賞の前日に発表されてたんですが、今は4月1日発表になったようです。でもすっかり忘れてました。かなり遅くなりましたが本日はちょうどネタもないので、晴れの受賞作をご紹介します。

今回はアダム・サンドラー主演の「ジャックとジル」が圧勝。全部門を制覇しました。サンドラーは1999年度の「ビッグ・ダディ」(例のテレビ番組じゃありません)に続く二度目の主演男優賞受賞です。

ワースト作品賞
 「ジャックとジル」
ワースト主演男優賞 アダム・サンドラー「ジャックとジル」(「ウソツキは結婚のはじまり」に対しても)
ワースト主演女優賞 アダム・サンドラー「ジャックとジル」

ここでお気づきのように、この「ジャックとジル」という映画、アダム・サンドラーが一人二役で、男性と女性役を演じわけます。もしくはワースト主演男優賞を獲ったということは演じ分けられてないのかも知れません。ジャックとジルは双子の兄妹という設定で、この妹のジルに一目惚れするのが、俳優本人の役で出演している大物の――

ワースト助演男優賞
 アル・パチーノ「ジャックとジル」
ワースト助演女優賞 デヴィッド・スペード「ジャックとジル」
ワースト監督賞 デニス・デューガン「ジャックとジル」(「ウソツキは結婚のはじまり」に対しても)

デヴィッド・スペードは「ウソツキは結婚のはじまり」でノミネートされたニコール・キッドマンを破っての助演女優賞受賞です。デヴィッドですから勿論男です。

ワースト脚本賞 「ジャックとジル」
ワースト・スクリーン・カップル賞 「ジャックとジル」アダム・サンドラーとケイティ・ホームズ、アル・パチーノ、アダム・サンドラーのいずれか
ワースト・アンサンブル演技賞 「ジャックとジル」
ワースト前編・リメイク・盗作・続編賞 「ジャックとジル」

アダム・サンドラーは脚本にも関わっているので脚本賞でも受賞しています。マット・デイモン並の才能と言えます。
この映画ソニー・ピクチャーズの製作で、日本でもこの1月に公開されているようです。私は見てません。

「なまいきシャルロット」や「伴奏者」などで知られるクロード・ミレール監督が、4日パリで亡くなったそうです。70歳でした。ご冥福をお祈りいたします。2007年製作の「ある秘密」が今月21日から公開予定です。

ついに!「暗殺の森」と「1900年」のブルー・レイが発売になるようです。6月23日。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧